丸かった うろこの雲の船着き場 石浜の空は 丸かった
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コリコリの背中 鎮痛剤でもて ごまかしごまかし よくはないわな>リハビリ効かないのよね〜
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美味である 味しみしみの煮物なり 今日の塩梅おぼえておこう
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蝶が来てしばし舞いつつ挨拶し翔んでいったと確信してる
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隣人とラフなお喋りベランダで積もりし初雪解けし小春日和
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自己とただ向き合うだけの幾星霜いくせいそうそれは無限にくのだそうだ
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「久しぶり、ブラックコーヒー飲めたんだ。」 君の笑顔が見れないからさ。
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目の動き一つも知らない心根に つきうごかされた私の右手
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お天気を気にするように彼の人の心気になる恋愛予報士
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その愛に 沈む私の幸福に 重たい甘味と動かぬ貴方 \ STILL WATER
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首すじと右手に夜を絡ませて最後の星を一緒に見よう
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指先につたはる熱はやはらかく みちたりてゆくなけなしの性
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夢で会う 「ほうけ」「ほうずら」「いいさよぉ」 甲州弁の かわいい祖母に 
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夢で会う 亡き祖母からの メッセージ 「あんたの命 軽く見ちゃいかん」
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掃き溜めを手探りでゆく 皮膚を裂くガラスのうつくしさも知らずに
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湯豆腐に大根おろしをいれて炊く みぞれとうふを熱くいただく
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首筋をそわわと撫でる夕風にそっと近づく冬を感じて
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明日の朝さむさこらえて起きねばな 「サラリーマンは気楽な稼業」ではないと思う
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碧空へきくうもとで植木を手直しす女性ひとの恋した少年のことなど想う
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のびしろは無いと知りながら生き延びる 無いキャンバスに無い絵の具ぺと
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ビニール手袋を付けてるような塗り心地のハンドクリームだわ
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丹頬につら少女をとめほろろに花恥ぢて檜扇ひあふぎかざし小路かうぢゆくかも
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長時間のスマホは味のないガムを噛むのとどこか似ていますよね
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一昨日の一万六千歩の疲れ二日遅れの筋肉痛也
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道端に青梗菜の種こぼし勿体なきやと菜算用/菜算用という言葉はない(と思う)
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理不尽に 多勢に無勢で ボコボコに 正義もなにも 暴力で
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冬の雨凍える指が痛み出す信号待ちのバイクの鼓動
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ものづくり琴線ふれる作品は平明にして気をてらわない
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海を撮り充電が切れたスマホ手に潮風を浴びて一人で歩く
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子のために林檎を一つ剥く夜のテレビは台風の接近告げる
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