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イントロを知らない恋の歌のよう 春がゆっくり時を奏でる
11
いつからか 勝ったら負けと いう遊び ずっとやってる 勝つのが嫌い
4
ジーパンの君しか知らぬ友達の震える喪服 薄い三日月
29
草臥れたシューズを労る頑張れなかった駄目な私の代わりに
11
巻き添へを食らふも 悪気の無き人を許し 運の無き事と笑ふ
28
夕方に心をたくさん乗せながら鱗光らせ走る電車
13
冷ややかな 世間の風に 慣れ過ぎて 生温い風 居心地悪い
4
午前5時 うきうき顔で おしり振る 息子よ朝はまだ先だ
10
野苺の 野で初めて 君に会いし朝 良きことで今日が 埋まる気がして
23
肌色の 湯呑茶碗の底の
澱
(
おり
)
煎茶の香りが 瞼に触れる
9
初対面 話していると 知るご縁 つながるつながる これぞ縁か
17
有るものをつなぐ西から東へと俺は営業ひとのなか生く
18
正義、愛、其の下に在る安心感 貴方も人にわらわれるのね!
6
玩具
(
ひと
)
嗤う、幼くグロいおままごと。私はいいの、あのひとは駄目
5
なにもない 冷蔵庫にも 納戸にも そして思った 外に出るかと
3
平日を 泳ぎきるため 休日に 息継ぎだけして また人の波へ
32
歌という 己を守る盾を得て ここからひととせ また歩まんとす
16
我は我を 言葉で殴り倒すとき いさめる
(
きみ
)
歌が いてくれてよかった
10
玄関で「ちょっと待って」と言う君が花に水やる五分の永遠
21
噛み合わぬ 心と台詞を
(
つぶて
)
礫にし 己で己を 殴り倒さん
10
大寒のさきは暖か約束す 靴履く我をすこしはげます
19
生きるため いっしょうけんめい たべている ねこたち見習い 豆乳とビスコ
24
運命を感じ言わずとも心呼応す人と会い高揚する日来たれと願う
11
「ご自由に」と柚子と橙並べ置く今夜だれかのおふろに浮かべ
28
川べりのお地蔵さんに赤い花似合わないよと照れてるみたい
24
寒空や雲間にぽっかり青い空そこだけ春が来ているようで
23
来客の話す言葉が聞き取れずマスク取ってと言いたいのだが
14
八十
(
やそ
)
過ぎて飲めなくなった昔ほどされど楽しみ日々の晩酌
22
霜降りる 小径のアオジ 種食めば 耳痛きこと暫し消えおり
17
お守りのつもりと言ってじいちゃんはエビオスを飲む犬と一緒に
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