「ここ三年、積もってなくて」と純白に 足跡増やす 埼玉の君
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四つ打ちの重低音が響く胸にはないきっとぼくのこころは
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終電で変身ベルト締めながら明日の会議のプレゼン思う
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後ろから突き落とされて青空がどおんどおんと波打っていた
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ペンギンはにんげんたちをじっと見てべつになんにも考えてない
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だるそうなあなたをひとり教室に呼ぶ卒業を人質にして
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今日こそは 帰ってきたら 絶対に 片付けようと 思ってただけ
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神様がこの世を作り出したなら全知全能も程度が知れる
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三月の雪が心を冷やすから明日着ていく服は黒服
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我儘も全て老化のせいにする母はこれまでどん底だった
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借り物の知識で埋まるストレージ 取り出せないほど奥にアルバム
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血糖値 上がってキツいが やめられぬ 春の祭りに 唆されて
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これが愛だと確信はできないが そうならいいな、とは思います
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少しだけ キラキラしたもの見たくって  玩具みたいな指輪をはめた
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スーパーにたくさん並ぶ牡丹餅は吾のためでなく彼岸のお供え
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何卒と お願いするも 姿勢だけ 真心がない 定型メール
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お彼岸に墓掃除して線香と花を供えたエビスビールも
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おやすみの メールを待ちて 眠れぬ夜 明日はあえる それでも眠れぬ
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トラッドもモードもカジュアルラギッドも全部まとめて楽しむファッション
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夢叶う友の内示の報告に歌い上げたい♪いろはにほへと/3月
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終日ひねもすを吹雪の止まぬ彼岸入り亡父母ふぼは迷わず帰るだろうか
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記憶力文章力が落ちてきた関心だけは持ち続けたし
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虚実あり幻と見る営みに今日分かれゆく死者と生者に
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『ふつつかな悪女ではございますが』最推しのコミックアニメ化・第一報 ドラゴンボールロスは癒えるか
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傷心も気丈に受けて可憐なる杵築のさいのきみ遥かなり
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菜の花とカラシを和えて皿に盛り 気分だけでも食卓に春 /寒い
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綺麗だな ビーチガラス。 割れモノも 角がまあるく 人の心も
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はいチーズ 友とツーショット シャッター切る 隣の顔だけ 割り込み坊主
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はじめての 水族館は 十歳じゅっさいにて 潮くさい海 映る変顔
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温泉の カフェで働く アインさんに 「半券」という 言葉教える / 「半分下さい」と云われ「?あ、半券ね」というと半券を連発
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