溶け込めず人の形をした孤独どこに行っても嵌まらない穴
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潤んでく夜は暗くて私ごと輪郭溶かしすべてを隠す
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幸不幸分け隔てなく思い知る翼もがれた鳥であること
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木枯しに吹かれ まばらな 紅葉こうようのトンネルの真上は 冬のはれ
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紙やすりで 研がれるような 寂しさに みぞれざらざら 降り注ぐ音
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散歩兼ね実家から帰るバス停までわれを見送りとなり歩く母
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両手に花 よりも両手にねこがいい 右と左に もふもふがいる
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いにしえさかえし村も今はただ雨降り溝に水が流るる
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嫌なことその後良いこと繰り返し何であれもう疲れてきたな
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おはよう。数多の骨の上にのみ生けるわたしと、あなたに、乾杯!
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丙午ひのえうま 年が明ければ 年女 避けられた年 それでも生まれ
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一瞬の隙みて にゃんすた更新す ねこたちねむい ねこ母もねむい
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くさむらに 錆色の葉が降る季節 「ナァ」と鳴いては 擦り寄ってくる
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隋唐宋元明清と見てくれば いつかは変わるそのうち乱る
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菓子を買いホリデイギフトか尋ねられ自分で食うと言うに言えずに
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数独に予定乱され午後散歩暖かくって丁度良きかな
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君に向けレーダー照射を放ったら やな顔されてツンとされたわ
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恋愛模様 推してだめなら 弾いてみな
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黄信号の 十九時半 ナマエを呼んで きっと薔薇に 呪われてしまうから
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秋深み裏のくぬぎも冬じたく枝を震はせ もみじ葉の舞ふ
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今週もきみに会えない 残薬が少ないように心細い夜
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霊園の前通るたび想うのは背中合わせの我が死なるかな/通勤時
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通院の リュックがすこし やぶれてた 縫い物しなきゃ 編み物しなきゃ
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若き日のショット・バーでの思い出を懐かしみつつ啜るほうじ茶
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上からツー横へピリピリわあ裂けたほぼ丸裸開封儀式/ボトル
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高校時 乙女の会なる 発足し 50代今 続く幸せ
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寒空に 水槽洗えば リビングで 金魚笑いて 上から見おり
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娘から『父に彼女が出来たみたい』それは別れる以前からのこと
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明日が今日になっちゃうよと急かしてくる君
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そのうでがいつかわたしをつつむなら そのひのためにきれいでいたい
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