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ひとつだけ 赤きアネモネ 風に揺れ 菜種に染まる朝の庭先
10
「Watch me if you can.」と呟いた 透明人間みたいなおれだ
4
死の層になお降り積もるかげろうに 絡め取られて堕ちてく地獄
9
蒼天に奇っ怪なる構造物並び 発電騙り宇宙と交信するや
11
ランドセル揃う足並み風光り横断歩道にタンポポは咲く
29
川辺りに 無造作に咲くハルジオン 白き花びら 風に揺らせて
19
どこの猫 庭に佇み マーキング? 長閑なるかな この住宅地
15
スズランと ドウダンの白き鈴なりが 我に教えし 群れという
美
(
び
)
16
たまたまに被るテーマのおもしろき誰かと誰かのコラボレーション
19
ピンク帽
被
(
かぶ
)
る
赤子
(
あかご
)
は
電車中
(
でんしゃなか
)
母に抱かれ春の花束
28
備蓄品 ガサゴソしてる 猫たちに 娘の名前で 声荒げてた
11
つがい鴨 仲睦まじく 微笑まし 南風吹き 薄氷崩れ 北へ去りゆくや
5
「暑いですね」 卯月と思えぬ挨拶交わし 額の汗拭き庭の草刈る
21
人知れず初冬に開花 暖春に
抱
(
いだ
)
かれ実り
初
(
はじ
)
む 枇杷の木
28
目覚めたら 夢だったとか 無きにしも 非ずなんて ある訳もなく
10
高架橋リフレインする貨物列車 ガタン、ゴトン 私は消えて
13
行く
場所
(
とこ
)
が ある幸せに 目覚める 爽やかな朝 一歩踏み出す
18
合歓の木の失せた川辺を見渡せば黄花コスモス空に向かいて
18
カタクリの恥じらうような花一輪長き時経てやっとお出まし
21
米国に 加担はしない 抗議する 絶対見ない メジャーリーグ
12
青空に残雪きわだつ
岩木山
(
おやま
)
見てつい掌をあわす吾は津軽衆
12
見上げれば 朝陽に照らされ綿の雲
萌黄
(
もえぎ
)
の葉の
間
(
ま
)
にふんわり浮かび
18
ドウダンの花の袋に祈りこめ白き小さき鈴は鳴りけり
41
待つ君の背中に滲む「さよなら」に花の香りを添えて返そう
24
ボアシーツ まるごと押し込み洗濯機 気分は早くも初夏へと向かう
20
春の陽に 土を持ち上げ顔を出す 旬の筍山の香満ちて
27
石鹸の匂いに君を抱きしめる私の行方を花は知らない
15
明け方に ただいまという 母の声 安心をして もう少し寝る
7
あんたって 人質になっても 楽しそう わたしもいつか そうなれるかな
5
あたたかい こんなことのためにウチらが ここにいなきゃいけないってマジか
4
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