スカボローフェア響く部屋どうしようここではうまく息が吸えない
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いつもより重いカバンの中身には今日の私のご褒美用に
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単品でエグチスパチキワンコインマックの卑しい注文方法
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ロラゼパム診断書の空白に 数式書いた神戸大学
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日が暮れて冷たい雨の降る空も急ぐ白鳥鳴き交わす声
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泣きながら寝たって朝は来るのだし キャラメルくらい舐めておきなよ
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君のなを 浄土の土産に戒める 楽しみに待つ 地獄へ堕ちても   
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新卒で 忙しき日々 目が回り 帰路の楽しみ 肉まんのため
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あな嬉し女子呑み会からお誘いが お財布モテでも伸びる鼻下
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ポリ缶に微妙に石油残りたり 開花までには足りるか足りぬか
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緩やかに流されるまま昼寝して夢とうつつが溶ける境目さかいめ
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やみくもに流れた汗は滝のよう自分の軸がぐらりドロドロ
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竪琴の教室見学老い二人爪弾くつもがもつれからまる
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取り戻す以前に既に失っている泉に落とした斧の行方は
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コンビニで電気料金支払って牛乳買った宇宙服の人
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何となく頭をよぎる父の背に あぁ彼岸かと暦見る
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頑丈な老婆が座席の前に立つ大人を罵倒しなおも前に立つ
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天体の運行を知りわれを知るわれの無軌道些かなりや
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人生で わたしにとって 大切な 10秒間は 短歌詠むこと
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十年後気づいた過去の結び目を今更繕う愚者の涙は
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ずれていく公転軌道に気付けずにぬるくなってたぼくを焼く熱
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自分の気持ちを綴った葉書に付ける切手が見当たらないんだ
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吹き付ける雪で「止まれ」の文字消えて逆三角の形が頼り
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何をしてもうまくいかない月曜 今夜は息子と9時に就寝
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久々に四駆モードに切り替えて吹雪く帰路行く明日は凍るぞ
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何気なく 君の頭に 触れた手が そのまま溶ける ように馴染んだ
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にゃんにゃーん ゴハンもオヤツもほしいにゃん😸 君たちはそれでいいんだよと撫で
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彼岸入りわが町は仏花もつ人と数多すれ違う
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アンケート回答代のようなもの 当選ビールはあきらめてもいい(一缶だし。花粉‥)
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銃弾の様な列車の響き 軍用機の様なヘリの もみじ
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