孫の顔 嫁に言われて 見せに来る 息子も今や 父親になり
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賞賛と 羨望の中 死んで行く そんな人生 夢のまた夢
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この仕事 人が嫌がる ものなのか 定着しない 日雇人夫
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雇用主 いつまで人を 雇うのか どんな評定 下すのだろう
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来月で 学年上がる 小学生 自動的だと 気楽でいいな
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人生は 向こうの見えぬ 綱渡り 奈落の底に 落ちないように
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まだ生きる まだ死なないと 思ってる 予定の立たぬ 明日の我が身
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若い頃 こんな老後に なるなんて 想像ですら しなかったよな
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今日もまた 春の嵐の 吹く中を 仕事へ向かう 普通の世界
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冬を越し 腐ったような ジャガイモを 畑の端に 丁寧に埋め
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車窓から カートに乗った犬 見かけ 信楽焼の狸のような
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今はまだ 我慢のし時 耐え時と そうじゃない時 いつかくるのか 
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花は咲きまた散りゆくを人の世に老いてあるのはただ見るためか
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どうしても怖いことだと思ってる 実はそれほど怖くはないよ
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散歩中 公園の池 ボーッと眺め 異次元に入り 時間が止まる
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馬鹿にされ ぶっ飛んでいる アイデアを 成功者には 乗り越える壁
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沈丁花 幸せの香に そっと触れ 球形かわい 春が聞こえる
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夢を見た 水族館の 大ガラス 割れて津波に 飲み込まれてる
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コンクリの隙間を割って首もたげ 咲いたタンポポ 春よ春よと
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咲き初むる菜の花 雨粒纏ひたり 懐かし総合運動公園
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夢の内容なか えらい矛盾が多くって 寝ぼけまなこで 辻褄合わす
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ゴハンあと うろうろしてて ひえたてあし手足 ねこは おかあちゃんで あっためるなり
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あなたにね会いたくなって指先でスワイプしたら春がこぼれた
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国会の饅頭クッキータオル等詰め合わせにして配ればよろし
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災害や物価をちょっとわきに置き責めてる姿もちょっと興ざめ
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もしいつか 家族増えたら 花見して 横に並んで 微笑みうかべ
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会いたいと思うけれども会いたくない会うのが怖いがそれでも会いたい
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朝晩の交流やりとりなんてどうでもいいよねあなたには分かってるんだよこれは片恋小さな胸に秘める想いよ
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一口で飲み干すもよし 人生の飲み残しだし 終活なんて
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さざんくわのくゆる匂ひのすくへるを眦に引けば零るるあか
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