「好きです」と言えずに死んだその言葉  地獄でずっと待っているから
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亡きははの介護生活十ニ年解き放たれて一日が長く
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備蓄米翻弄される民ばかり 今日も早よから列に並びて
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夫逝きて息子家族と同居決め我もチャレンジ新たな暮らし
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ウタビトがガザと詠んだら許される 遠く離れた平和な国よ
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ただいまが変転してく日に月に年にくるりといつまでもいま
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掃除しろ猫砂の粒かりかりと母のこぼした乾き飯粒/踏むと痛い
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やられたね! 鳥も知ってる美味うまいもの 今朝は食べよう完熟ビワを
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水無月の 朔日ついたちに ストーブ点火 葉陰の濃さに 逡巡しつつ
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SHIRAKAMIと名乗りたる我がレーダーの世界ランクは五万位だとか
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断捨離で幾度謝っただろ亡き父母に 想ひ出そっと絹に包みぬ
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青色か紫か 土の演出次第で決まる 紫陽花の衣装いろ
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実家の朝 なんとはなしに早起きで 母とつれづれによもやま話
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タヌ猫や 一回り小さくなったよね 療法食は美味しくないか
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やまひ得たるタヌ猫 ひとつおふとんで あと幾度ほど眠れるだらう
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ありし日を偲びアルバムめくりつつ一人でいるもそれなりの日々
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おやゆびの姫のごとくにさき花ヒメシャラの笑み雨に濡れても \ 五月尽日
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主なき住まいの片付けあちこちに義姉あねのメモせし不安の束が
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風に揺れ ラベンダー咲く 水無月の 凛とした朝 空気冷たく
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もう一度出会ってみたしもう二度とあえないと分かっているけれど
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それはそう科学的ではないからに信じられてる夏の日五日
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脇抱え よちよち歩く 重くとも これは美味いうまい幼子おさなご知ってる
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死ぬ前に 何食べたい?で カツ丼と 答える人だけ 信用してます
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歳重ね  歩みし道を省みて 数多の出逢いに感謝を捧ぐ 
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パスケース 貴女の笑顔を 意識して お土産屋での 幸せな時
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忘れないで あだ名は出目金 控え目な 貴女と話した 6月1日
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ソフトシェルクラブサンドはうますぎる 正義は人の 数だけあります
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きみといるわたしのひどく満面の笑みを愛してほしい あなたも
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親友であったあなたのぎこちなく片頬あげる笑みが恋しい
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どこにいて誰と手をつないでいても君を見上げるわたしの瞳
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