雲間から 現れし満月 お芝居の 幕開けのよう 拍手する我
11
一年をもう折り返すこうやって残りの暮らしもきっと早かろ
26
散る花を 拾うはいつも 同じ手で 風は何事も なき顔をする
8
ねこたちは ゴハンのあとは うみゃうみゃと おくちのまわりを きれいにするよ
19
昨日買ったコンビニクレープ シュガーバター 楽しみにする 今日から文月
16
眠られぬ夜は恥多き越し方の 思い出ノートパタンと閉じて
5
働きものの母がゐて働きものの父もゐて貧しかりし日々
16
ハンディファン涼しげにかざす向かい席 我は取り出す小さな扇子
48
十五夜のお月様と掛けましてウォーオと叫ぶ盗んだバイク
5
雨降りはつかの間の時くゆらせる フォークルを聴く トラジャの薫る
11
麺棒でピザ生地伸ばす四歳児料理男子のパパが手ほどき
29
​西日差す部室の隅の合言葉 やがて貴方が忘れ去るもの
21
綿あめの解(ほど)けたるよな雲流れ 青田に鷺の鳴き交わすを聞く
24
せめてもの枕に残る香りなら消臭剤でも君を消せない
21
水鏡 映る月影 幾重にも 真なるひとつ 見つけ得ぬまま
14
スーパーのポイント2倍出掛けるぞ!やる気が出ない?問答無用!
6
リードなし 大型犬が 放されて 国の威信を 食い破りたる
16
踏切でブレーキかける救急車 開け開けと向かいで念ず
15
青信号ばかり選んで渡ってるあの子が戻ってきた まあそうなるよね
8
「よかったらまたご飯でも」と言うわりに交換しない社交のライン
5
一万歩 今日は気になる カフェまで お店の位置 マップを頼りに
4
七月も 結局続く 繁忙期 部下の嘆きも うれしい悲鳴
21
甘へ鳴き 途端にあくび 口閉づぬ時 小(ち)さき声漏るる 我が猫
18
目に見える物は何でも描けるぞと豪語していた見えてたんだな
11
生きながらひからびていた君だからきっときれいに燃えるのでしょう
4
生き物の世話は毎日休みなし猫と母さん今日サボらせて
19
ストーブと冷風扇を入れ替える頃合いだなと見てる朝の陽
18
風凪ぎて潮の匂いに満ちる朝 磯蟹三(み)匹茂みに隠る
19
駅前の 鎧兜(よろいかぶと)の 彫像も 冷却ミストに 涼取る夕べ
17
人としてどないなんじゃと聞いとるんじゃ能書き要らん誠意見せんかい/社会派ヒューマン短歌
9