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半券が箱の片隅眠ってる不安な夜のお守りみたく
12
保育園 六年間も 行ったのか
生
(
お
)
い立つ
倅
(
せがれ
)
少し遠くに
17
悲哀とは 幸福たちの 存在を 証明し得る 唯一のもの
13
娘から投函頼まれ必ずと愚直に手で持つ言われた通りに
19
改札の傍の 焼きたてパンの店 匂ひに見送られつ 乗り換へ
30
この間、お葬式に参列した時に、セットしたアラーム。まだ残ってた。
6
名残香
(
なごりこう
)
道
行
(
ゆ
)
く
頬
(
ほお
)
は
梅紅色
(
ばいこうしょく
)
三月
(
みつき
)
の花嫁 夢にゆれつつ
17
元部下と 神田駅にて 再会し ランチ富士そば 思い出の場
27
老木の ひなたの桜 満開で パワーもらいし 五十二の春
29
昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃
0
歳の孫
24
贅沢は敵か素敵か 夜明け前のぼる眉月 見て思案する
13
東向き 窓ある部屋の贅沢は 明けの眉月 これに極まる
13
なんとなくよからぬことを告知する看板「今夜ここを掘ります」
10
どんなことしたっていいよ君だけは/割れたガラスと35円
5
あちこちの開花だよりが聞こえきて 心そわそわ春はマジック
13
限られた日々をカウントダウンとして儀式なるかなパンを喰(は)む朝
8
もう君は髪をなくしてしまったからカメラに風がうつらない。
6
聴き終えたやさしい話に作り手もきっとと思う「ゆず、香る」 /深夜便ラジオ文芸館にて
18
朝からの雨もあがりてしめやかに空暮れなずみサンマが焼ける
8
日々のこと「気合で乗り切る」と言う君の小さきその身にどれほどの気合い
7
振袖の見知らぬ人の卒業をそっと祝える
他人
(
ひと
)
でありたい
11
タニマチの思い切なき横断幕「平常心なら 一番つよい」
5
このチョコが美味しいのよという音で「中山美穂が死んだの」という君
8
トボトボと朝ゆく娘の足跡を拾って今日のファイルに綴じる
8
曲がり角片目の猫と鉢合わせ 強く生きなよ春は来たから
19
コンクリに スマホ落として 打撲傷 大丈夫そうだが様子みる
13
波がしら 引いては寄せて 泡となる 朝霧湧きて 磯小島映え
12
今を生き 目の前のこと ラベリング 彼岸の入りは 春を知らせる
30
梅園の 寂し
艶
(
あで
)
やか 薄れ日に
跳
(
は
)
ねた小鳥や 春はほのかに
9
列島開花
桜の
(
はな
)
扉が開かれてピンクのニンフが駆けめぐる 見落とさないで私も待ってる
7
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