ひと袋 百三十の ピーマンで チンジャオもどき とひじき煮のゆうげ
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遺書を書くほど人生を愛せない 短歌一首を銃弾に死ぬ
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夢みたいだけど夢じゃないんだよ 目の前にいるあたしだけ見て
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逝きたいと生きたいを行ったり来たり 君と手繋ぎ世界の底まで
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しあわせでいてほしい 遠いところで 交わらない世界の向こうで
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恋だとか好きとかじゃない感情に名前がなくても過ごせてしまう
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年上に言うのもなんだか変だけどおとなになったね 知らない顔だ
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絶対にわたしを好きにならないと解っているからなんでも言える
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来ないなら来ないで別に平気だね 毎日来てたLINEの通知
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ドーナツを落としましたよたたたのた追いかけたけど届かぬままに
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スパークリングワインの泡もシャンパンの泡も弾けて散れば同じ
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関税の ばんくるわせの やけっぱち さいごのばんさん 日経四万ごえ \トランプ関税の理不尽に普通なら株価大暴落
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神鳴て魑魅魍魎を地に放ち 薄く笑ひし平安の月
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はやばやと終わりし梅雨が時間差で降らせに戻った猛烈な雨
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影深む街は夕さり暮れゆけば灯火に遠く形を留めむ
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豆知識:テレビのクイズに答えると 君は必ず「すごいね」と言う
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ウィスキー・ボンボンを食べ横になりカフカを読んだ憲法記念日
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Xに気まぐれで垢作ったら さっそく怪しきXメール
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トワと呼ぶ小さき命よ永くあれ ヒト科の願ひ水にたゆたふ/熱帯魚飼育
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耳元で 風鈴ひとつ 鳴らしては 眠りの中に 風を呼ぼうと
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希望の火 灯し続けて夢を見る 愛馬の勝利に願いをかけて
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「ラストオーダーになりましたお客さま」ウェイターの声低く優しく
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この夏のOver Drive緩まりて自然の風のめぐるリビング/麻だ。様 懐かしいです
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勝手知る老人たちの避暑地とは ホームセンター寛ぎのチェア
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出発の前夜 実家に連絡す 「替わって」と 向こうから姪の声
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この夏に研ぎすまされた感覚は 小さな秋を見つけんとする
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この時期の 暑さや湿度 最高と 庭の雑草 だけ物語る
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バイト終わりの息継ぎはアスファルトにねじ込むラッキーストライク
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最高のフレンチ予約していてもドタキャンされれば泥を食むよう
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待っててね 虹の橋のたもとにて そこにはきっと おかあちゃんの分身が(いてるよ)
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