満開の 金木犀モクセイの香に つつまれて 練り香水も しばらく要らぬ
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飛び出した根っこは行き場を探しつつ 静かに蕾の眠りは続く
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外壁に張り付いているカマキリに小春日和の温き陽が差す
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そうだよねあれにならってあの方を招き名前で呼びあってみる?
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手付かずで残す気不味さ耐へかねて 一気にあほる商談のお茶
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生着せし樹齢二千年オリーブにスペインの風しずかにまとう「ナガシマフアーム」 
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商談が 終わって部屋を 出る時 手付かずのお茶 一気に飲み干す
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金木犀モクセイは ベランダまでも香りたり しまい洗いに ふさわしき朝
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明けきらぬ ひむがしの空は 明るくて 昨夜の喧嘩は もう忘れやう
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「けいにゃん」や また月末に 帰るから お土産持って また帰るから>テーマ詠「固有名詞」ごっこ(笑)
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ちま猫ちゃん けさもまったり よあけみる おかあちゃんはでも 短歌が観たくて
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風呂桶の 自分の白髪 掬うとき 写真の中の 親父の記憶
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「熊注意」立看板におじけつき おじさん三名山歩き止む
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晴れるとふ予報を信じて山歩き 武蔵野丘陵うす曇りなり
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もう誰も好きにならないと叫んだそれがあなたの呪いなんだね
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朝めしを抜ひて検査を終へたあと カツ煮定食がつがつ喰らふ
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暮れ六つや ともる街灯 きみわれ 冬の星座を探しつつ帰途/暮れ六つ=午後六時
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ライフル銃 向ける防人 思いにて 獣の最期 儚きことよ
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三連休 冷たい雨に 部屋こもる 過去を思ひし 軌跡を綴る
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朝起きて 体重計に 怒り出す  我が食欲は 未だ痩せずに 
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母のこと気が重くって眠れずにそのまま酵母で塩パン膨らす
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山里に 冬の足音忍び寄る 白銀色の霜降りし朝 
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富士山は初雪浅く地肌見せ墨絵の筆のかすれの如し
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風を避け駅の待ち合ひ来し人は寒っと二回くぐもる声で
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スポンジの上に ちいさな黒猫よ すっくと立って こちら見つめる/メラミンスポンジ🐈‍⬛
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何度でも返り咲くのは黴ばかり 深夜だけ出る潔癖のさが
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肉体は一度死んだら戻らない 心も同じメンタルヘルス /鬱短歌
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シュート打つ「スリーまぐれの喜び一入ひとしお」で上向く下手は楽しさ無敵
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錦秋に粧ふ山も眠るなりやがては笑ひしたたりもせむ
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意味とかは実際無くて、視点だけがある。あなたの話が聞きたい。
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