駐車場なのだとずっと思ってた 大人はどうも汚いらしい
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ごめんね、と一緒にタクシー乗ってれば帰って行けたのに前科者
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あと何回 あさが来たら 泊まれるの 孫のラインに ほほゆるむ我
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霊園の 丘から見える 朝日浴び 現実世界へ いざ引き返す
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「1人で帰るからいい」という男、人の欲深さと愚かさを知るがいい
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会いたいね 夢にでてきた 君想い お墓参り 仕事の前に
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稲びかりありて雨が降り始め三日後の雷にて止む律儀さよ
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BRUTUS買うような部屋FENDERが踊らない箪笥日焼けした僕
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駅が見えたっけかここは回り道独り言だし確信に変わる
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大谷と同じサイズで飛んでいる僕の友達空を飛んでいる
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ささくれの砂漠が山に黒くなる黒板の上知識が撫でる
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いやなやつジャック・ハンマーあれいいやつ?ジャック・ハンマー繊細な肉
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夕陽色の入道雲を太陽と勘違いして伸びている影
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立秋や炎夏の午后は中華屋で炒飯食らう君に見惚れる
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みうらじゅん いとうせいこう もたいまさこ ぐっとくるひと めがねとひらがな
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軽トラの荷台に立って空を見る在りしクラゲも今ならつかめる
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ド田舎に生まれて都会に吸い込まれコンクリの中に観葉植物
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ごま油在り処分からず棚回廊「FinalLap」と意気込み行かん
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25の朝女性の影なし続く正午焦りはじめて目をさす夕陽
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「ピラティス」の名を聞くばかり実知らず、健康の皮を被ったルッキズム
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隣る上司の不快極まる打鍵音負けじと対抗サバンナの一幕
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いくばくか己が寿命の尽きる頃この残置物に生を託して
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幼き日 感性違うと指摘有 音が言葉に聞こえて不便
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普通ってどんな親なの言ってみろ 一人立ちせぬ娘二人
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亡くなった人は夜空の星に似て 会えはしないのに輝いている
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あ 涼しい 出勤時間の朝6時 暦は案外当たってる
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一人親 ひもじい思いさせまいと 働いてきてもう還暦に
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外つ國へ羽搏く筈に墜死せる雛の骸を汀に埋めて
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あれは雛これも雛よと狂火の橋桁に影を縫ひ留めし朝
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卵殻を破らばヨハネの首級のごと耀う雛が画布を視て居る
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