故郷の 海を見たい ゴミ溜めの 工業地帯の 防波堤から
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人のうち体が占める割合をそれぞれがそれぞれに見積もる
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この人がいなくなったこと 人のいない体がいまだここにあること
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メルティーキッス『ご自由にどうぞ』書いたのに、耐えれず全部私が食べた
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いそがしい ああいそがしい と言いつつ 時間できると いそがしくする
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真っ直ぐな亡母の縫い目を解きつつリメイク楽しむ冬の陽だまり
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母性とはどこから来るか老いてのち静かに滲みる枯れ井戸の底
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母恵夢ポエムとふ 愛媛の菓子を 味わいて 歌の一つも 浮かんで欲しく
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愛おしく大事なのです君たちよこう言う母がまだいるのです
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グラコロの歌に全てを持ってかれ 何も浮かばぬ風呂のひととき
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コンビニの熱々チキン頬張って寒空歩く 今日は満月
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手放した 僕のものではない恋が 愛しいままに遠く瞬く   
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聖俗のあわひに居りてデカンタかマグナムボトルか主よ決め給へ #サイゼリヤ短歌
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湯たんぽの 沸く間にちょっと スクワット おしりを三寸 下げて百回
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行間に 思いの丈を詰め込むも 重い理由に受け取り拒否に   
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とうめいで 音も香もなく さわれない あるのかないか わからないきみ /あさやんインスパイア
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犬たちは連なり尾を振り早足に話もしないねでも仲良しだ
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二十四の誕生日までの何回を君と一緒に祝えただろうか
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I am GOD's GRANDCHILD 腐敗せず三年もたせる冬の手仕事
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数年のブランクを経て菓子を焼くすぐに壊れるアーモンドチュイール
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予想より 早く添削 届いたよ お褒めの言葉 活力にせな
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悲しみは深く大きく広がって砂漠さえをもなくしてしまう
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我よりもえらい人らが先に死ぬ後ろめたさに初雪はふる
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彼岸へと導く電車あったなら往復切符手にし会いたい
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信じたくないからずっと走ってる立ち止まったら夢が裏切る
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アレグロはまだ遅すぎるわたくしを三倍速で耕しなさい
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全人類南極付近に集合せよ、地軸のずれを修正すべく
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通勤の 橋を渡れば しらさぎが 朝陽を受けて 川面に居りぬ
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ときめきが 消えた僕らに もう二度と 訪れぬ冬 別れもうすぐ
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「それでも…」に 続く思いや 表情が 二人の距離を さらに縮めて
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