理科室の実験器具を先生が磨く光景風叩く窓
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冬紅葉この雪下ユキシタに埋もれおり次の季節の風を想いて
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印象派セザンヌゴッホマネにモネ画学生たち画板を持ちて
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なんかさみしく YouTubeひらいて歌ったよ(苦笑)ハレルヤ・コーラス 暗譜はしてるけど
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きっぽい三日坊主でうつで ひとつの例外貴方きみ への想い
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街なかのイルミネーション光る中わたしはひとり微分積分
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赤鼻でサンタを乗せるトナカイになって夜空を駆け回りたい
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このイブを独りで過ごす言い訳は月の巡りよ仕方なきかな
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誰かがくれたものが 身体と心を形作っている 真似た口癖とか 指を折る仕草だとか
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言葉や心が、愛やら請け売りが、実存や証明すら 風の裏拍と雲のあくびに混ざっていく
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シルエット通り夕暮れ街 四丁目のオールウェイズ 記憶の中の橙と紫のグラデーション
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暗転を待つばかりで冗長 鼠色の街 橙に溶ける頃に吐く白い息の様に
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健全であるかの様に 安心と降り注ぐ融和 俄然、興味の湧かぬ広告のデスゲーム
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三人称を単数で割り切れず 現在形で綴る俯瞰の文字 ただ酔って文学を謳うよりも 躁鬱を終わらせに来たのかい?
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必然がほつれて 事件が起きたとして 物語はあなたの応急処置として機能するだろうか
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殺人ピエロと雨予報 下水を避けて帰ろう 怖いんだ どうか、声を貸してよ チャット・ベイカー
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眠れない君に謎掛けをひとつ 明けない夜に指折り数えた、ふたつ
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北風に 椿は凛と 咲き誇り 街を賑わす 何処ぞのメシア
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急展開 姉妹発熱 母の預かり認めてくれた 施設に感謝(母は平熱)
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ほかほかの白いご飯が美味しそう 爺婆ふたりのイブに塩辛を買う
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心中の片割れのごとく浮かびゐし薄ら月もはや消えにける時
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普通から外れた人生レールすら 歪んで脱線 今日もまた事故
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幼き日聖しこの夜唄ったな 贈り物など楽しみにして
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だんだんと欲張りになるこの次の八万年後もあなたと見たい
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我独り 戦もしない豚どもに 戦犯などと云われたくない  
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うちのら 私に似てるかな どうかなあ? ちま猫・甘えんぼ チビ猫・人見知り(笑)
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いまひとつ体調すぐれぬイブの昼 ジャスミンミルクティーなど飲みて
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ポケットに飛び込み絡む指があるにんまり笑うきみはカメレオン
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明日には見えなくなった風見鶏正しさの性惑わす月夜
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西にあるたった一つの崩壊に気づいてもなお止まらぬ邦画
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