ねこたちは それぞれお気に入りの寝床 すやすや眠る おひる楽しみに
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さっき踏んでしまったアリを運ぶアリを踏んで三匹目を待つの
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雲間から 差す太陽のあたたかみ 欲張らぬよう 背にして帰る
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眠らする球根に降る強き雨半年余りの滋養になるや
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あどけない笑顔に沿わぬ高身長 そうかお前ももう十二歳
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窓開けて瞬間匂う雪っぽい湿りと気配山は時雨れて
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3時間「断水お知らせ」洗い桶薬缶やかんにうんと水汲んで置き
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九月じん うから集いて誕生会九十二歳白寿への道
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亡き猫が 残していった白い毛を 見つけて思う 便りがきたと
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敷石の割れ目に生えるタンポポは踏まれふまれて冠毛飛ばす
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無いものに憧れるのが人の性さが 兄とか姉とか欲しかった我
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銀箔の 夜明けの雨に 濡れた町 景色はひんやり 秋の空気感
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「きのう何食べた?」と自ら問うてみて 思い出せぬよ 作ったはずが>番宣(笑)
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みんなみんな星型に絞るマヨネーズ嫌いの反対はだいきらい 
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お隣りさんは戦争だよって夕焼けのマクドナルドでいっていってよ
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湿度計気にしながらもデンタルピックに研ぐ歯ブラシのけばけば
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左むきで夜ふけのハンドル滑らせるおまえはせかい「こんばんは。海」 
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正太郎まねたる吾は不忍の池之端にてカツレツを食ふ
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極暑だったがいきなりの秋 朝の歩道に涼しい風が吹いる
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人間もかくの如しか秋桜の日の翳る方たけの短し
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海辺の散歩道 雲が赤く染まり夕日が海に沈むのが見える
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北は防風雨☔️、寒し秋一番、式は平穏無事願う
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公園は夕陽のなかに静まりて蒲の穂絮の自づから飛ぶ
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エアコンを止めた 蚊取線香の煙が真っ直ぐに上り始める
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僕ら 居合わせることができなかった(その)ことをずっと重要だいじにしてたんだ
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雲ふたつ 風が描きし 絵画展 誰と眺めん 空のキャンバス 
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連ドラの 〇〇ロスも 束の間の 次のドラマに 心奪われ
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夕立の 予感に帰路を 急かされて 遠くの雲の 色と匂いと
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ずっと長い頭痛の原因 前髪か 伸びすぎ重い 限界突破
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真夜中思う この体調なら美容院行けるのになと 朝にはしんどし
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