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チェス駒を床にばら蒔きポーン一つ何処かに失せて二度と戻らず
9
土手沿いをさまよい歩く夫婦なりどこで見えるかうるわし花火は
11
つつがなく精霊送る
導
(
しるべ
)
とや 京の五山に送り火灯る
26
2次元と
3
次元とを行き来するイベント現場夢心地のよう
10
朝は蝉 夜は鈴虫鳴いている 夏と秋とが 混在して居る
22
送り火が来年もまたともるころ生きてく道は見つかってますか
10
交差点すれ違う人の人生は一人ひとりがそれぞれ違う
8
目の前のエプロン着けた赤鬼に
F
B
I
が突入してよ
5
鳥の名を読めぬし知らぬ吾がいて調べて夏の研究のごと
20
情報のジャングルみたいなSNS 猛獣いっぱい すぐに逃げ出し
8
間隔の調整のため停まります。手をつなげない距離になるまで。
14
在りし日の 夏空の下
故郷
(
ふるさと
)
の 祖母宅の庭に 青しコキア
24
ひとすじの線路に沿って風走るうわべの
宙
(
そら
)
にとんぼとどまる
13
ぶどうの葉 郵便物に まぎれてた 差出人は 狐か狸?
19
古民家の 軒に大きな ヘチマ成り 笑顔で狩りし 孫と翁
24
庭先で バーベキュウし 家族見る ソースの匂い ランチは焼きそば
21
カーテンを揺らして外を気にしてるハイソックスがモモまであるのに
5
海へ行く魚のようにあつまって祭りへ下る人々の道
11
茄子
(
なす
)
の牛 手綱引く我 盆送り
蜩
(
ひぐらし
)
の
音
(
ね
)
と 咲くキツネユリ (
狐
(
キツネ
)
の
剃刀
(
カミソリ
)
)
34
三日ほど腹に澱みのあるような 歌詠まぬ日の鬱々として
23
シングルも三桁もプレーの愉しけれ フェアウェイ広き うたかたの歌
16
やらなきゃなぁ 思いたったが 立っただけ いつもより苦い 珈琲の味
12
可愛いと君が言うたび可と愛をくれるのに僕への愛は不可
9
冷や汁を心ゆくまで堪能せり あとは(観戦に)夢中の母をサポート>ミスター追悼試合
16
蝉共が支配者となり早数年、春秋冬の区別は死んだ
6
ホイアンの夜景きれいなコースター孫から土産ベトナムの風
16
実家から出るとき犬を抱きしめた キミといちばん離れたくない
25
天井下点けるエアコン溶ける脳滴る鼓動は夏の嚆矢
7
「なんか今日 元気ないね。」と 喋りたくない 今の俺は マナーモードだ
8
天井に 向かい風吹かれ 起きれないや 言い訳ばかり そんな日もあるか
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