五反田の「ブラック企業資料館」の語り部となる この世続けば
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手持ち糸で 花束ブランケット編み 色彩センスの無さに凹んで
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たじろぎぬ若人の死の唐突に二人歩いていつもゆく朝
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踏切に立つ葬儀屋の看板に存在しない意味を見出す
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旅先でいつもの倍も歩こうも飲み食いも倍不健康なり
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愛ゆえに ただ愛ゆえに ひた走る 顔が見たいよ ただそれだけで
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雪女 ペットの名前は窒素ガス あなたが好きなの彼も私も
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青空に映えて紅葉と柿の実がざわざわ揺れる風の冷たさ
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人として 生きる限りは 難儀あり 透明クリアな鎧 常に纏いて
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家も吾も とどまり居れば あちこちに 傷み軋みの 歴史が見えて
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ここよりは先へゆけないこの恋のかけら どこに埋めればいいの
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当日券無いと知りつつ会場に来てみるほどの推しがいた秋
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風もない 小春日和の嬉しさに 矢車草の種をまく午後
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天守から 木曽川眺め 時が過ぎ 携帯アラーム 我にかえって
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スマホてふ諸刃の剣振りたればしのぎにあそぶ日(火)のまた愉し
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「ここいると 早死しそや」「ほんまかも」  漫才のような ホントのような
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アンパンマンの胴体は何なのかについて考える日があっても良い
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ふかし芋もはや多くは口にせずなお父へ湯気届けたくあり
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眼下から 紅葉こうよう映る せせらぎを 無で眺めつつ カニを追いかけ
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体内の不具合もメタ 道化とす すり潰す胃で国産みだとか
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オフィスには ポインセチアの 鉢植えが 光を浴びて 赤く輝き
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京の秋人波かきわけ清水や紅葉の海に山霞みゆく
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四季薄れ二季となる世の桜花紅葉とともに巡れと願う
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とりあえず急須を通ったお湯を呑む 茶葉はなくとも湯呑みのぬくみ
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フライドポテトを揚げて盛るとき 誰かがめちゃくちゃ喜んでくれる
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絶叫のような静寂挟んで二人 陶器のカップを静かに下ろす
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ルーキーにスポットライト明け渡し 主役降板 親になること
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この道がそのまま障害物になる そうじゃない人におんぶされたい
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冷へ込みの深まりぬ 霜月の朝 止めるアラーム 冷ゆる指先
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子供の頃から好きなお菓子ほどめっちゃ値上げする世界線だわこれ
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