うつすらと花いろに白き波を引きみづゑに解くる西風の空
1
銀いろの合はせ鏡のそのなかの夢とうつつの隧道ずいだうつづく
2
その度に記号化された存在をどう脱するか 人に「なる」には
3
愛ほしき気持ちを半ぶん飛ばしくるセミコロン;笑まひ)ウインクをする ;)
1
惜しきこと伝ふる最短書簡なるコロン:スラッシュ/残念無念 :/
0
点ふたつコロン:と飛ばし閉じかつこ)忠実まめなる私信のさいごに添ふる :)
2
‪言葉とかなかったあの日に戻って僕たちが哀れに見えた日に‬
0
教室に数十人の人たちを閉じ込め縛る 暴力的だ
2
ラジオより流るるハモニカ週末のスローテンポを遠退とほそけてゆく
1
冴ゆる雨に打たれもみづる南天の葉に虹の綾 摑む能はず
0
すでに街はもみの緑に神聖なる赤を着飾り孤独を待ちぬ
1
ひとりのサッシにひとつ熊毛虫もこもこもこと生き急ぎたる
3
世継榾よつぎほだほのかに揺れて『████』なる暦は見えぬ落とし子を待つ
1
わたつみのいろこの宮に降りそむるときは色かほる有機物デトリタスたち
3
君と僕 間に降り積もったのは 言葉 言いよどんだとき 記憶
4
夜歩く知らない街は喧騒に膜がかかりて限りが見えず
4
右頬のほくろは左頬にあり嘘つき鏡と日日対話する
3
初霜の白きを雪と見まがひし雪知らぬ子の初雪の朝
3
星と星つながり歌の友となり夕の落書き瞬きそむる
0
愚痴も弱音も吐けないで 泣けもできない僕よ 撃ち抜け そこを
2
近くまで来たから なんてヴィーナスの造形をした言い訳をする
1
色の字の男女の愛をかたどるとふ本質のになにいろ置かむ
1
水の星に生まれしさがを宿すゆゑ魚の泪の天空に見ゆ
0
みづからを聖母に仕立て眠り落つ無花果の乳房まろく懐きて
1
流星と友になるため旅に出る星降り坂のその向こうまで
3
山々の木々の紅葉 茜色 夕陽重なり燃え立ち やがて
2
おほぬさも神籬ひもろぎも疾く焼け落ちてただ酔ひきたる神奈備のイドCannabinoid
1
教養でひとを殴っちゃいけません未知もときどき毒になるから
1
星くずが閨に散らばり泣き濡れる首なし騎士と踊った夜は
0
つつまれてあめの音いろ詠みてみむ温帯雨林のあはき街にて
2