幾何の   微 嘘な小 を   初期値   と   し 宙は回 宇 る よる回
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幾何いくばくの微小な嘘を初期値とし回る回るよ宇宙は回る
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練習の為にやってきましたぜこれから仕事よーく眠った
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額皿をヴァイナル盤に持ち替えてDJ KIKUはフロアを沸かす
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風の巻く野火の呑みこむ街揺れて灰に固まる泪のかたち
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野火の禍に冴ゆる雨と気おくりたし風よ鎮まれ安らぎたまへ
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狂ひつつあるあをき星の風の群れ楽園Paradiseを消す 神のご加護をGod bless you
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刻々と時間は過ぎる 締め切りが来る 追い込んでいくオレ自身
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藍いろの闇のなかにて星ぼしとなりてゐる若き人びと見あぐ
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薬禍とか人間禍とかさまざまなる禍をめぐらせて星を数ふる
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白きなる影の降り積む冬の日にことのはもただ白く降り積む
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ああ そうか 全部見切っているはずと 思うオレこそ罠だったのか
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だいだいの絵の具搾りてそのままに見せびらかしの彩り秋は
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後朝きぬぎぬのツァーリ・ボンバにくちづけて相互確証破壊のしるしを
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君に逢えずなのになんだかホッとする 恋心とはわからないもの
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この街を水底に沈めたゆたへば泪の色も消えてゆくらむ
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よろこびの音知りてゐる老猫の朝な夕なの、鍋、瓶、器
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何となくぼんやりしてゐる月の夜の冬のぼんぼり灯してをりぬ
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うたかたよ大言海おほことつみ玉響たまゆらよ聲なきなみだ摘みとりて ゆけ
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君とおなじ名を持つ花の切手買い口づけをしてゆっくりと貼る
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辛い辛い 何が一番辛いって こうしてうずくまってることで
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あれこれと売ったお金で蕎麦を食う 要らないものでも我が身の糧さ
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朽ちていくかぼちゃを置いて経るときのはざまで終わっていないハロウィン
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これからは私の人生生きるのと落ち葉達舞う晩秋の風に
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青きインク薄きより濃きへ染め上ぐる天つなる空の一枚の夢
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ろごろごと喉鳴らす音にはこぶし効きいぶし銀なる老境の猫
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冴ゆる刃に身を晒しゆく冬野菜まな板の上にニルヴァーナあり
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木漏れ日に愛をささやき手をつなぎ歩くぼくらはリビングデッド
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やりたさは あるができずにうずくまり ついにやりたくなくなってきた
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銀杏ふる小径を走りぬけてゆくライオンのぼうし黄金に消ゆる
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