Utakata
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小野藍
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悪い夢を見ます。
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ばかだなあって言われたくて何ひとつ知らないふりをしていたんだよ
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空っぽのからだは軽く夏並みの陽気を泳ぐ無職の四月
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「少女暴行」の四文字きらきらと友達の名をはこぶ新聞紙
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生存本能 すこしだけ目を閉じてきみのつむじを思い出してる
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ほんとうの恋などをしてみたかった 薄い布越しのきみを見ていた
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「有罪?」とねごとできみが聞いたので返事はせずに抱きしめてあげる
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爆発的夕立をまえに立ち尽くす傘をわすれた霊感少女
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これは罪の告白ですが、絶対に不幸になってほしいひとが、いる
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十代を喪失した日のテンションで、鈍行、海行き、ふたりで乗ろう
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息継ぎを忘れてぼくの心臓に名前があれば今、呼んだのに
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こんなにも引いては寄せるぼくがまだ波だった頃のはなしをしよう
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海ばかり描いているから青の名前ならばたくさん覚えているよ
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もう二度と会えないような顔なんてしなかったじゃん桜の下で
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痛くしてしまった朝に慰めのようにあなたにもらったピアス
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正常位のまねごとをする子どもらに祝福よあれ ひかりに満ちて
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透きとおれ真冬にうかぶ通学路 一斉休校初日の朝に
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茄子という文字が読めずに発音するカコ いもうとのまるいほっぺた
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約束(永遠ではない)を待ちすぎてひかりになってしまったうさぎ
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かたまりのローストビーフの肉汁が溢れみらいをはこぶ原発
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動くきみを生で見たいし秋だからコロッケを肉屋で買ってきて
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夕焼けが落っこちてきた頂上の観覧車から世界が終わる
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全国シャボン玉安全協会員たちがならんで満月を見る
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裂開がはじまるまぎわ遠ざかる愛しいぼくの感覚器たち
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心臓を摘出すれば楽になるさみしい夜は車をとばせ
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各停が五分遅れているほどの憂鬱あした隕石がくる
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美しいまま空っぽになれたなら金魚の目玉のような空っぽ
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新鮮な野菜みたいに愛されてほほえむ夜のシナモロールよ
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真夏から隔絶された六畳にジッポだけありきみだけいない
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踏切をきみが潜れば三日月でこんなひかりはみたことがない
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人間になる直前のやわらかい俺がティッシュで潰されている
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