小野藍    フォロー 0 フォロワー 12 投稿数 55

悪い夢を見ます。

ぬいぐるみの魚に海を見せるため青い国から取り寄せた絵の具 

「もしかして春に生まれた? きみからのラインの通知のポンはやさしい」 

隕石がくる! 薬指をしめつける透明な環が問いかける夜に 

いちごとはあかりの中で食べるものハピバスディ・トゥ・ミー・イン・ザ・ムーン 

ストローで石鹸水を吹けばもうパチン、はじけて三月がくる 

もしきみが海でしんだとしてもたぶんわたしは海を愛するだろう 

金ぴかの時計ほしがるけいちゃんの睫毛の先のくるん見ていた 

春なのでしろいうさぎを捨てに行く よい おとなに なれます ように 

惑星のごとき微熱を胸に抱くあなたが貸してくれたマフラー 

窓際にひかりがあって暮れてゆく道路に止まれを書くひとの家 

あたらしいまちには海がないらしくスペースキーのようにさみしい  

神さまを信じぬきみが溶けてゆき春になるのをインスタで見た 

引越しの朝になったら思い出すだろうあなたに借りた消しゴム 

あの自転車とおなじ速度で行くならばさよなら僕は忘れられない 

おとなこどもおとなこどもの花占いどちらで終えたか思い出せない  

愛という文字ぼろぼろと溢れゆくまつげの隙間はどうやら苦い 

ひそやかな字幕放送終わる時あなたのさいごの生徒でよかった 

自転車のたましい海のたましいが先生には見えるのですか 

ピアノなどやめろ冷たい住宅街きみはまほうつかいになれない 

ぼくたちは曖昧だったあの夏の海でくらげは壊れるだろう 

下半身が魚のかたちをしてたけど愛したかった あわになる なる 

このまちのすべてを溶かす月光を避けるもうふのなかの真実 

まばたきをしない時間を比べあった姉があさって家を出ていく 

乙女らよ集え倫理を破壊せよ(ここでミラーボールが回転する) 

罅割れたきみのことばが液晶を通じて夜はひかる ひかるよ 

惑星間難民支援協会から黒い目をしたきみが来た夜 

ぼくたちは溶け合っていたシロップに漬けた苺を分け合うだけで 

〈ruby〉〈rp〉(〈/rp〉〈rt〉〈/rt〉〈rp〉)〈/rp〉〈/ruby〉ここにあるコードの意味は知らないがルビを振るのは簡単なこと 

時間がまだ「海」と呼ばれていた頃を知る美しき横顔のひと 

永遠のふりするような真夜中の寝息はゆたかに孤独を抱く