Utakata
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小野藍
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悪い夢を見ます。
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おかっぱの少女ら突如一斉にななめになるような熱帯夜
5
はつなつのまつ毛パーマに守られてコンビニ店員の顔おぼえる
2
青い春 手首の淡い傷痕でつながっているまもられている
4
桜桃忌前夜に食べる甘すぎるロイヤルホストのさくらんぼパフェ
4
虫も木も果実も嫌いなぼくたちは青い五月のにおいに怯え
5
ていねいに伸ばした爪に色をぬる夏の準備に早起きをする
2
親友に、起きて、と声をかけられて皮をむかれる桃になる朝
3
全身にスパンコールをつけたまま燃えるミス・リカ・ドールのえくぼ
2
海へ海へ近づくほどにでかくなる玉音放送 明日から令和
2
冗談のように黴てる食パンのたましいごめん、星座になれよ
10
生活の一部のように花を買いひとりで歩けるきみがきらいだ
7
この世には真っ赤なものと真っ赤ではないものだけがあるの。夕暮れ
2
春空の真中をすっと直線に裂いて落下をする花鋏
3
スーパーのシュークリームで満たされる満たされてしまうぼくらだった
2
「もしかして春に生まれた? きみからのラインの通知のポンはやさしい」
12
隕石がくる! 薬指をしめつける透明な環が問いかける夜に
0
いちごとはあかりの中で食べるものハピバスデイ・トゥ・ミー・イン・ザ・ムーン
4
ストローで石鹸水を吹けばもうパチン、はじけて三月がくる
8
もしきみが海でしんだとしてもたぶんわたしは海を愛するだろう
5
金ぴかの時計ほしがるけいちゃんの睫毛の先のくるん見ていた
3
春なのでしろいうさぎを捨てに行く よい おとなに なれます ように
6
惑星のごとき微熱を胸に抱くあなたが貸してくれたマフラー
2
窓際にひかりがあって暮れてゆく道路に止まれを書くひとの家
5
あたらしいまちには海がないらしくスペースキーのようにさみしい
7
神さまを信じぬきみが溶けてゆき春になるのをインスタで見た
6
引越しの朝になったら思い出すだろうあなたに借りた消しゴム
3
あの自転車とおなじ速度で行くならばさよなら僕は忘れられない
3
おとなこどもおとなこどもの花占いどちらで終えたか思い出せない
3
愛という文字ぼろぼろと溢れゆくまつげの隙間はどうやら苦い
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ひそやかな字幕放送終わる時あなたのさいごの生徒でよかった
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