Utakata
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赤口 樒
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Shikimi Shakko
赦されるために羊をささげたの もっと優しい祀りを求めて
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ストロマトライト/素粒子観測所 ビットマップと伸びゆく指紋
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同期する青の光を捕えこむ フォンタナと共に祈りを込めて
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氷片に歯形をつけてさようなら また会いましょう 元気でいてね
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役割を授かることなき虫どもは膝を抱えて枇杷の胎中
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ががんぼの四肢のぬけがら流れてく 蛇口を閉める 汗・声・笑顔
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七色と歌ったあとの13年冴えた反響ここはどの色
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月照らすレースカーテンありふれて目じりの奥のボーゴラッド
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縁光る頭飾りに惑わされ黒いシャドウの流れは見えず
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棘のない柊の葉が眠るころ 白い小花は赤く静かに
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その皮を穿くことは無いだろう 蠢け 喚け 赦すことなく
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八月の柱があった広場には 緑化してゆく鐘だけが鳴る
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支配者の白く佇むその耳に 消えゆく沙漠の左辺を想う
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干乾びたリボンを幾度も踏みつけて 糸は解れて昇り蝕む
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押し花の輪郭はふと粉になり 矩を形どり脚に絡まる
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ちかちかと歌う骨ども吊るされて 抱えそびれた熱撒き散らす
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針山の尖頭熱して睥睨し 翡翠の足は砕ける刺さる
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祈るよう青の隙間を割いた痕 キャンバスはまた拡張される
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ヨルガオのふとした涙に背を合わす 錆びたフェンスが忘れえぬよう
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項垂れる首刻々と色褪せて 去らぬ様にと陽射しは背を責め
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罅割れた土 戯れに水をやる 少女に還ることのない花
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髄液の底で揺蕩う霧状の記憶を求めて画面をなぞる
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たおれゆく琥珀が燿う箱庭で 足を持たないトルクが響く
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抜け落ちた前頭葉とZ軸へ肥えてゆく赤茶けた輪郭
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傷のない卵殻の中 よく喋る都市を少女は片手で統べる
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痩せこけたまなぶたの下 よこたわる粃 静かに背中をみつめる
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骨ばった指を蝕む
蔓草
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の先で腐臭を撒く合弁花
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