星なのか星屑なのか屑なのか天に流れて示してもらふ
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しあはせの青き鳥すむとりかごに何もあらずと云ふ人あまた
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家のなき人と蠟燭らふそくかこみつつ七面鳥の受難日に謝す
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空白をうめるすべなど知らなくて瞼閉ざせば柔らかなやみ
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財布、鍵、携帯、ハンケチ などといふ  はづかしくなき  私の全て
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思い切り笹薮の中 突っ込んだ 雪降る田舎道 人気無し
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この世をばわが世にあらず望月の光は吾にも降りそそげども
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永遠はいらない冷えた君の手をあたためるだけ、あたためるだけ
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蟋蟀こおろぎは死にぎわさえも冷ややかでユーモレスクを弾き去りてゆく
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食べちゃうぞ また食べちゃうぞ 食べちゃうぞ 箱入りパルムはヤバイ! 悪魔だ
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夜一夜仕事終わらぬ朝ぼらけ なんのこれしきなんて言えない
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ねこよねこ いまはどうしているのかよ さむくはないか はらはすかぬか
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もう出るか夢があるからそうするか休みの朝は夢がいっぱい
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あくせくと荷物を片付けている親 その隣であくびをしてる犬
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黒豆のあかむらさきの煮汁にてこころ染めたき夕しぐれかな
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歌なのか歌屑なのか屑なのか風にわたしてをしへてもらふ
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銃弾の白き瞬時をスローモー//ションにて描きう歩く街
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ひとりでに音立ち上がることば有り「関西電気保安協会」
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忘失のむこうがわから呼ばわりて「私は……et in Arcadia egoいますアルカディアにも
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凡詠も万重なれば非凡にてその鵬程は祈りにも似る
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「もうダメだ」すげー滑った雪道で 生きているからこの歌がある
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浮かびくる桂の明き葉のまはりたゆたふ夢のまろき匂ひの
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薄紙につつまれてゐる白き死の日常性を透かして見やる
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この葉この葉ひらりひらりと夢に堕ちまた生まれむと朽ち果ててゆく
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惑星間難民支援協会から黒い目をしたきみが来た夜
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朝日燃ゆ窓辺にふらり目眩して夜に焦がれしバタートースト
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淡雪のハンドルネーム知りたくてマスカレードの夜に尋ねる
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性欲と滅却欲の谷あいの真っ暗闇に灯る光は
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雪化粧 白い粉降りかけられた深緑しんりょくの森 針葉樹しんようじゅたち
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ぼくたちは溶け合っていたシロップに漬けた苺を分け合うだけで
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