指の骨も今朝はさりさり薄ら氷の琥珀糖なり冬を待つ手よ
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霜近き夜に零下の気配して黒水晶の冬は育ちぬ
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軟らかいバターにナイフが沈むようにきみに切り開かれたくなかった
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夢ではないと言い切る力も持たぬまま消え去るのだろうこの世界から
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光る泡は星の稚魚 きみが飲み下すサイダー 宇宙の海のCO2
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雪虫、いつか人生で最後に見るときが来る。そうとも知らずに。
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「震えてる 凍えないで」と 抱きしめる 服に付いた雪もほろわずに
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しづかなる暮らし欲しまし   箱根山柴を刈りてそ生計立てなむ
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この町は どうもコープが中心地らしい 長蛇のレジが七つも
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潮の花すさみぎはをひた走る 君と一緒に あした来るまで
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みづからの 言葉で世界を解釈し 組成し  疲弊していく友達
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JAFジャフさま ああ おJAFジャフさま おJAFジャフさま ご恩は一生忘れはしない
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またの日も居どころ探し草枕あるかなきかの安宿あすかを求め
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果つる葉の夢をおきつつ濃く薄く霜枯れのいろうつす朝焼け
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鴇色の羽はばたかせ夕風をおくる西空すすきほむらへ
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夜もすがら君恋しくて涙する 甘い眠りも訪れなくて
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恋愛の基礎そのいちを教えます「殺戮でなく略奪をせよ」
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やることがないんだ ひとり 車内にて 歌を詠むことしかできないの
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朝焼けの風を集めて寝を寝夢いをぬゆめ 袖濡れ染めし露草の花
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美しい不在の証主なき赤い歯ブラシそのまま立てる
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もういないあなたの椅子をぴかぴかに拭けばこんなに冷たい不在
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こんにちは、また会いましたね(誰だろう…)声と服しか覚えられない
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愛という言葉は使いたくないな 恋愛・性愛だと思うだろ?
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鼻先ににんじん吊るしひっぱればきみを起点にピタゴラスイッチ
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一万で買った革ジャン百円で買取に出す吾取り乱す
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無限小に押し潰されし言葉らは空想外へ と 溶  け 出  し   て   ゆく
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JAFジャフ呼んで もう一時間 過ぎました 僕を見つけてくれるだろうか
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この雨は昨日の君に降りし後 吾がたそがれの袖を濡らしつ
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銭湯で卓球をするおばあさん卓球台は明るい台なり
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どうせ手に入らぬならばこなごなのガラスに変えて肺へすいこむ
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