ふるき夢 こごりたりける氷山は 死をもたらせり 直ちに避けよ
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しめやかに雪降り積もるエケベリア聖夜を待って濁る恋路よ
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知りたいを抱えて生きた幾星霜 そうあれかしと願うなどうか
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いつかした読み間違いを集めては無造作すぎて山となるはず
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変化なぞ死に続けてるのと同じだなんてことを考え生きた
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「タイヘンだ」そう思うこと あるけれど いつの間にやら「そういうもんだ」
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冬空の雲雲雲 雲雲雲なんて素敵な空白だろう
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父母と川の字になり寝てみればいつもよりかは深く眠れた
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郷愁はトリコロールの薔薇になる真水と虚無と熱とを抱いて
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先生は成績と評価振りかざし土足で俺の傷をほじくる
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「おやすみ」と口に出しては言わずとも心の中で君に挨拶
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忙しい朝は北国だとさらに雪かきがあり より忙しい
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X「波と風、実在すべし」   Y「主観なき世界で 誰ぞ識るべしそれを」 
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迷ひきて見上ぐる門は緑蔭に銀の海への道開きをり
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地球儀の日付変更線なぞり昨日の君を探しつづける
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携帯の調子が悪く短歌作りユーチューブはちとつらいから
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夕映えに一面散ったガラス片美しさとは千切れた夕陽
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きみたちが滅びた理由知りたいか明日の夜空に答えを映す
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このそらを無数の想いが舞っている応えてくれる場所を探して
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喪ひし 家より見ゆる 大山の 肩戴けり 富士の小白嶺
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カバンには触れるな母ちゃん俺なりに次の物語始めてるから
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雪かきのために早起き一時間 一気にやってシャワーを浴びて
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寺山は 愛と云ひけり Prévertプレヴェールは 死と云ひけり 桜桃のたね
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迫り来る 稚児の歌える鼻歌よ 私の前で歌をやめるな
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巻き戻す時の女神の悪戯の夜に残りし玻璃の靴かな
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巻き戻るいつもの朝の雑踏のみな独りゆく靴音の波
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巻き戻るいつもの朝の食卓の玻璃の器のシリアルの音
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ごめんねときみに泣かれたあとだから街のネオンが輝いている
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まばたきをしない時間を比べあった姉があさって家を出ていく
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氷点下 おふとん以外こごえてる 寝ぼけまなこ泡沫うたかたを詠む
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