まぼろしの 夏の名残に 夜が潤み すべて嘘よと 蟋蟀こおろぎが鳴き
1
『お前なら もっと良い人 見つかるよ』  お祈りメールを 意訳してみた
1
『同じこと どうせ他社にも 言うんでしょ』 面倒くさいぞ 恋人だったら
0
真夜中の自販機でコーラ買ったけど飲みほせないまま朝をむかえる
1
好きなとこ 100個言えよと 命ずるは 消えゆく恋か 面接官か
0
3回の 顔合わせだけで 人生を売る  見合い結婚と 就職活動
0
それぞれが秘密を持てるがその代わり「ここまで言わなきゃわかんないのか」
0
老いたよと笑う君との水割りは二人舐め合う度甘苦い
2
ブルベ冬絶対そうだ気づいてよ 今すぐその髪黒に染めたい
1
適当にドンキの媚薬を飲んでみる そういう元気の出し方もある
2
黒づくめ日傘をさした死神が車のながれ逆らいあるく
0
病葉に夏傾いて蜩の声も聞かないまま秋が来る
2
目を閉じていつかきっと、きっといつか救われるはずとかなしい祈り
1
霜を踏むような音を立て伸びていく僕のからだが氷解していく
0
間違っていないと「私」は思えども 身体が罰を求める矛盾
1
右足をとっさに避けた働き蟻いつなんどきに息絶えたのか
1
中秋の名月気付かずうつむいて見つけたものは小銭と糞だけ
0
横着し箸で手繰ったスパゲッティ 唐辛子でむせ独り汗かく
1
愛してる、なんて無限の免罪符で私の涙を拭かないでよ
1
名月も過ぎて欠けたる今日の月 雲に隠れて涙を降らす
0
たいていは「私でなくてもいい」のだが私でなくなることができない
6
ぐつぐつと夜中にケーキを焼く音と あなたの孤独だけが愛しい
1
爪磨くプリント回す一瞬で君が見惚れる手になる為に
7
君の名を呼ぶときだけは世界中どの人よりもディーバになれる
1
窓開けて入り来しならむたんぽぽの綿毛はしばし老猫と遊ぶ
7
ばりばりと落ち葉を踏んで鳴る音は 太陽溜めた夏の断末魔
2
いがみ合い 張り合っている 余裕なし 危機が迫れば 全身集中
0
金持ちも 貧乏人も 死んでゆく なんて公平 なんて平等
1
花びらの重なるところにひそむ夜 キスはできても嘘はつけない
2
触れようと指先のばし憚らる 子の成長とは少し寂しや
6