自覚なく過ぎゆく月の気の急きに実感できぬ冬の訪れ
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判別のつかない四季の折々が日本たらしめなくなると吐く
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演技性人格障害スイッチをグッと入れたり入れなかったり
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二十日後に冷えたグラスをふるわせて僻地を潤す宝石の雨はひふへほ
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氷点ににじりよせてはまた戻り研ぎ冴えてゆく冬の切羽に
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キリストの生まれ給いしこの佳き日はるか昔に思いをはせる
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思い出にするにはいまだ早すぎて鍋の大根透き通らない
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正しさにころされずいて 誰よりも優しく強い王様になれ
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ハッピーなホリデーという誕生日 多彩な宗教多彩な出自
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おそろしくさても愛しい共同体 ステンドグラスに差し込む朝陽
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にゃんころのモフ毛恋しい湯たんぽに毛布からめてにゃんころにゃんころ
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コンソメのポテチ食べたくなる夜中水を飲んでも腹の虫鳴く
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名前とかいらないんだよほっといて 捨てられている命はどこへ
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好きだってまだ言わないで待てるよね 雪なんて降らないからきっと
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あたたかいスノードームだ 空仰ぐきみと分けあうビニールの傘
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クリスマス磨きに磨いたGIANTカップルの間突き抜けて翔べ
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同居人 ときどきぷんぷん怒ってる トイレの中でため息をつく
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薔薇色の薔薇の樹の薔薇色の薔薇プレヴェール「五月の歌」より」 桃色の桃  百合色の、百合?
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白銀の まろみし月を 蔽ひける 蛋白たんぱく石の 薄片あまた
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昼下がり 助手席の人 目をつむり 「無理はしない」と呟きねむる
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長雨よ我とともにし泣き給へ 今は鎌輪奴かまわぬ涙ひとすぢ
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あなたのことを考えたら勃起して全身隈無くまなく血が巡る
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何度でも好きと言わせて眠りたい 私の耳に声の住むまで
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頭上あたまうえ仰げば寒い白椿首を縮めてふるえておりて
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あれ 喉が痛い…? … … …気のせいにする 気のせい 気のせい 気のせいだ 頼む…
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かたぶきし Oude Kerk旧教会の晩鐘は 世を儚みし 嘆きにも似て
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道で見る尾っぽを切られた三毛猫の切ないまでににゃあにゃあと鳴く
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霧深み 揺れる街灯 月笑う みちのポストに 手紙出す者
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八歳の恋情はまだ燃えていてタイムマシンをあきらめきれず
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もう師走 そんな噂が流れてる まことしやかに 流れているね
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