その昔馬小屋に鳴くカササギをニュースで聞いた2018ふたまるいちはち
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寒椿 薄日も射さぬ 露地裏に 打ち捨てられし 赤きくず紙
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懸命に日々生きることができたなら死は安らぎと いう名の褒美
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花よ花 咲きて綻べ我のため さだめて消えぬる色なれども
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幾たびに 自分の駄目さを思ひ知る 脱ぎ捨てられる 蛹なりまし
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その昔三賢者らの訪ね行く馬小屋の上に星は光りぬ
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味のないチューインガムをもう一度含んで咀嚼するような恋
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年始にて ぶつかり合うは「家族」観 あぶくのように浮かんで消えた
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もしかして君も私を気にしてる?そう期待している今日この日
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赤い目の骸の体おちる影002ぜろぜろに番食事の時間
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仰ぎ見る 人工衛星 あの空は まだ黄昏が 終わっていない
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幻想と林檎りんごひとつと珈琲こーひーが私の中に入り込む午後
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なんとなく会いたい気持ち強くありひとつお願い見知らぬ神よ
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また次に会うまで少し寂しくて素直になれず伏し目でハグを
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久しぶり揃った面子メンツ嬉しくて昂り任せ肘に一撃
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今日からはいつも通りに戻るので朝シャンをして寝ぐせを直す
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行為では確かめられぬ好意ほど求めてしまう声は出さずに
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君たちが「いいね」を押したその「わけ」が 分からんものだ 知りたいものだ
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霜夜しもよにて 星のしじまに 沁み渡る Goldberg Variationsゴールドベルグ・ヴァリエーションズ
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むにゃりむにゃ ほにゃりほにゃなり 人生は されどこの世は にゃむにゃむほにゃら
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アルミ缶、無音の藍に溶け込んだ制服の裏側にキャラメル
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君に会う 以前の僕に逢いたくて 揺れるさざなみ ぢっと見ている
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おしまいと言えばたちまち何にでもなれる気がした春の蟋蟀こおろぎ
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光溢るる窓辺から 神様の無垢なる笑い 春永の朝
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ひさびさの煙草は脳に祖父がいた畳の上のひだまり映す
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三が日明けるは寂しくあるけれど君に逢う日も近づいてくる
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神の樹に 成れる御方も 現世うつしよの 風に惑へる 一葉ひとはなりけり
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朒を食む 衆生に欺瞞と云ふ使徒ヒトの 心のうちは 如何であるらむ
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「ほんとうの願いを言え」とむらさきの靄に霞むはわたしの心
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少しずつシに近づいていくけれどドレミの歌は空に響けよ
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