幻想と林檎りんごひとつと珈琲こーひーが私の中に入り込む午後
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なんとなく会いたい気持ち強くありひとつお願い見知らぬ神よ
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また次に会うまで少し寂しくて素直になれず伏し目でハグを
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久しぶり揃った面子メンツ嬉しくて昂り任せ肘に一撃
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今日からはいつも通りに戻るので朝シャンをして寝ぐせを直す
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行為では確かめられぬ好意ほど求めてしまう声は出さずに
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君たちが「いいね」を押したその「わけ」が 分からんものだ 知りたいものだ
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霜夜しもよにて 星のしじまに 沁み渡る Goldberg Variationsゴールドベルグ・ヴァリエーションズ
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むにゃりむにゃ ほにゃりほにゃなり 人生は されどこの世は にゃむにゃむほにゃら
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アルミ缶、無音の藍に溶け込んだ制服の裏側にキャラメル
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君に会う 以前の僕に逢いたくて 揺れるさざなみ ぢっと見ている
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おしまいと言えばたちまち何にでもなれる気がした春の蟋蟀こおろぎ
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光溢るる窓辺から 神様の無垢なる笑い 春永の朝
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ひさびさの煙草は脳に祖父がいた畳の上のひだまり映す
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三が日明けるは寂しくあるけれど君に逢う日も近づいてくる
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神の樹に 成れる御方も 現世うつしよの 風に惑へる 一葉ひとはなりけり
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朒を食む 衆生に欺瞞と云ふ使徒ヒトの 心のうちは 如何であるらむ
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「ほんとうの願いを言え」とむらさきの靄に霞むはわたしの心
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少しずつシに近づいていくけれどドレミの歌は空に響けよ
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本当は木星行きかも知れないが会社行かなきゃ、ここで降ります
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大晦日 『ウコンの力』買っていく中年たちの列に加わる
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砂浜を革靴履いて走ってた夏の日、止まったままの平成
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瀞峡に河童や出でよ 罷りたさ 屏風岩から滝の噴くまで
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初夢に見たかったのは君の顔 微笑む君を見たかったのに
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喧騒の街も 暮らしのともしびも 結び目得たり 初春はつはるの日に
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ひと巡り東の空からやつてくるおはやうございますの一年
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豪雪ごうせつの夜 轟々ごうごうと除雪機が通る 爛々らんらん だいだい
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正月は着なれぬ着物を巻き付けて旅行するのが家の習わし
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新しき年の始めに君想う 風邪などひいていないだろうか
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理解より受容によって結ばれる 傷つけ合って僕らは知った
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