Utakata
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うずらのたまご
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夜に棲息している
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二人称不在で交わしあうそれは名前も持たないぬるいまどろみ
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いとしげに「へんなひとだ」とわらうこえつれていかないではるのあらし
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春遠く、水平線にはさわれない 凪いだシーツに浸すつま先
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林檎落つ白に埋もれて濡れる赤 君の瞳が泣きそうだった
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夜、赤い
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ミリに火をつける指先ばかり思い出してる
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染みついて脳を浸して満ちる色は匂えど咲きもせずあさき夢
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明日には死んでしまうからこの恋は 弔ってくれ白の葬列
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君のいたシーツがつめたくなっている レンジでチンとかできたらいいのに
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山手線、ジムノペディと冬の朝、つめたい指先たどる『おやすみ』
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死んでいる金魚の目玉の白濁と同じ色した君の胸元
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致死量のあまいをあげる シロップと偏愛漬けのわたしの心臓
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花束はコーラのボトルに入れられて君の端から褪せる薄紅
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真夜中のポテトチップス 炭酸抜けかけのコーラ あなたの言葉
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あんなにも触れているのにきみの骨が何色なのか知らないわたし
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口の端でくゆらす朝の残り香に澱んで恋と見紛うひかり
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まだ痛む
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ミリの致命傷きみはとどめをさしてくれない
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さいはてに立ちすくんだら聴かせてよ、きみが奏でる世界の終わり
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最近の世界は君を中心に回っているからそろそろ滅ぶ
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背に触れた鮮烈なりし一刹那 落下、あるいは八月の夢
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歌にすらならない恋を口ずさみ 音掠れては夏を見送る
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呼吸すらためらいもなくうばう手が背中で迷う 雨は夜降る
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灰でしか息ができないぼくたちはキスをするたび苦く溺れる
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呼吸するあかい火種だけが明るい 死に絶えた部屋燃やしつくして
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ストロベリー・フィールズまではまだ遠くどこへも君を連れてはゆけない
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「次会ったとき返すから」嘯いて知らぬ体温うつした指輪
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夕立の残り香連れて侵す指 暮れる音すら聞こえぬところ
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思っていたよりもずっと薄かったあなたのからだ 夜明けの湿度
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短夜や紫煙に巻いて髪を梳くやさしい呪いさめやらぬまま
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爪弾いた音色を辿る声ふたつ まだいかないで台風前夜
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コーヒーと紙の匂いの指先にとらわれていたい夏の逝くまで
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