うずらのたまご  フォロー 12 フォロワー 7 投稿数 30

夜に棲息している

染みついて脳を浸して満ちる色は匂えど咲きもせずあさき夢 

明日には死んでしまうからこの恋は 弔ってくれ白の葬列 

君のいたシーツがつめたくなっている レンジでチンとかできたらいいのに 

山手線、ジムノペディと冬の朝、つめたい指先たどる『おやすみ』 

死んでいる金魚の目玉の白濁と同じ色した君の胸元 

致死量のあまいをあげる シロップと偏愛漬けのわたしの心臓 

花束はコーラのボトルに入れられて君の端から褪せる薄紅 

真夜中のポテトチップス 炭酸抜けかけのコーラ あなたの言葉 

あんなにも触れているのにきみの骨が何色なのか知らないわたし 

口の端でくゆらす朝の残り香に澱んで恋と見紛うひかり 

まだ痛む1.2ミリの致命傷きみはとどめをさしてくれない 

さいはてに立ちすくんだら聴かせてよ、きみが奏でる世界の終わり 

最近の世界は君を中心に回っているからそろそろ滅ぶ 

背に触れた鮮烈なりし一刹那 落下、あるいは八月の夢  

歌にすらならない恋を口ずさみ 音掠れては夏を見送る 

呼吸すらためらいもなくうばう手が背中で迷う 雨は夜降る 

灰でしか息ができないぼくたちはキスをするたび苦く溺れる 

呼吸するあかい火種だけが明るい 死に絶えた部屋燃やしつくして 

ストロベリー・フィールズまではまだ遠くどこへも君を連れてはゆけない  

「次会ったとき返すから」嘯いて知らぬ体温うつした指輪 

夕立の残り香連れて侵す指 暮れる音すら聞こえぬところ 

思っていたよりもずっと薄かったあなたのからだ 夜明けの湿度 

短夜や紫煙に巻いて髪を梳くやさしい呪いさめやらぬまま 

爪弾いた音色を辿る声ふたつ まだいかないで台風前夜 

コーヒーと紙の匂いの指先にとらわれていたい夏の逝くまで 

名を知らぬ明るい星に手が届き君の瞳におちてくる夜  

体温も煙草の味も唇も全部忘れた覚えてねえわ 

小舟ゆく闇溶ける海あいいろに 果て見えぬなら恋と呼べるか 

夜もすがらおれをさいなむゆめうつつ 耳をふさいだその色は青 

まだ着てんの?そのニルヴァーナのTシャツ あなたのいない二十七歳