喉元を過ぎる熱さは消え去って 火傷の痛み 跡 そして いま
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止まったら凍えてしまう各停の来ないホームを歩き続ける
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仕方なく右の小指にした指輪 左の薬指にしたいのに
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シュレッダーかけられた歌星になり届かぬ想いアフターダーク
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夕闇に白いカラスが吸いこまれ橙と紺色のはざまへ
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フォルダから 現像したい百枚を 選びつつ吾の 愚行反省
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どこまでもどこまでも行く散歩道 あなたのことを考えながら
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上司の目 いつも死んでる 管理職 その背に負うは 殿しんがりの意地
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このまちのすべてを溶かす月光を避けるもうふのなかの真実
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まっすぐに彼を見つめる君の背を僕は追ってた傘も差さずに
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ボロきれと銃だけ持って出かけよう渋谷を駆けるランボーだから
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本当になりたいものが分からずに触れた順からしずくになって
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みんなしてインスタ映えだか知らないが私は食後の皿を撮りたい
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思い出は空へと上がり星になり 屋根裏部屋で今日も瞬く
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寝れぬなら明日やることを今すれば良いのだけれど まあやらんのよ
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三日月が夜のとばりに食い込んであなたのいない左が冷える
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月の裏 残した心は 知らぬ間に 地球照にて 暗く輝く
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戯れの様に 翔びけり つがいたる二羽の目白と 山茶花さざんか咲ける
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透明人間ゲームで本当に見えなくなった僕を愛して
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帆を張っていざ漕ぎ出でぬ大八洲 嵐の夕べ吹雪のあした
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潮風に 乗って届けばいいと思う 諦め満ちたこの歌声が
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周る星 幾星霜を繰り返し 島神落とせお前の海へ
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バトラーを 見たらやっぱり 最高で 学んで良かった分析哲学
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空を飛ぶ 夢を見たのも久しぶり 目が覚めてすら眩ゆい世界
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窓に松 ひよどり叫ぶ 襟口に手を差し 暖をとりたる講師
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島風に たなびく旗の その向こう 青海ぞ晴れて 我を呼びたり
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時雨降るその右肩から滴った貴方の隣を十五分
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冬の夜に東京タワーを眺めてた紅くて冷たいその塔を
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海沿いの街に降る雪想い出と泡沫の恋一炊の夢
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本来は相合傘をするはずの夕暮れに降るゴースト・レイン
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