「たのしい」のラベルを少し剥がしたら「か」の字が見えてあわててなおす
5
君と観る映画はいつも中身より君の気配をうかがうものよ
2
我が犬の毛に付く植物小さき種この種あなたに命を託す
1
もう寝るのいつも起きててくれるのに背中さすって尻尾ひっぱる
2
聴こえるか?「愚図は黙って死んでくれ ムダなコストがかからないから」
2
ぬくぬくと扉へだてて朝が来る死んでしまった夜を尻目に
4
愛という文字ぼろぼろと溢れゆくまつげの隙間はどうやら苦い
2
潰されて圧されて焼かれてキュウと泣くホットサンドの耳のはごたえ
5
何もせずどこにも行かず眠りたい生まれてなかった頃みたいに
1
コトコトと角煮煮ながら 膝にネコ ひとりですごす 雪の日たのし
4
王子かな りんごを齧る私みて「白雪姫」と笑うあなたは
4
とめどなく傘から雫きらきらと願いはひとつぼくを泣かせて
0
一週に一度は君に逢いたくて無茶をしまくる今日この頃で
0
繋がりし一本の毛糸形となりただ編みたくて夜更かしをする
1
上がり来る衝動へうち震えると共に消ゆ日へ脅える心
5
紅き実の なれる木ぞ良し 南天に 千両、万両、常盤山査子ときわさんざし
0
昨夜見たサスペンスドラマ一時間 愛の結末 殺人だった
1
ひそやかな字幕放送終わる時あなたのさいごの生徒でよかった
4
誰かには理解されたい年頃に誰も理解しないでと思う
0
君が去った後の西日差す窓 ハッピーエンドにはならなかったよ
0
熱弁をふるひし時の君の癖 指し箸が我の心を射抜く
0
歌たのし 想いかたちにとどむれば 尽きることなし 言葉あふれて
3
この時間デカフェ飲むのだ何となく身体気遣う私気取って
5
父母の寝息を聞いて思うこと いつまで共に過ごせるだろう
0
薄日さすも 切りつける風吹き止まず 冷たき勝手 今日はモツ煮る
1
ミス続きふさぐ心でうつむくも とりあえず聴くフレディの声
1
わたくしは殺されました朝の陽でお前らだって正気ではない
2
ダサい歌を詠んだ日のわたしを殺してくれ、するとわたしは生まれなかったことになるが
0
◎もしも今奇跡が起きて法律上あいつを殺せる身分になったら?
0
知らぬ事アオサギはいつも一羽だけ田んぼの中で片足で立つ
1