憶えしな品々借りて御前死す次から次へ資本流れど
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春雨の秋の前線省みん移ろいゆくは只の我のみ
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夜来いの恋だけ味わう缶ビール京都四条枝豆揺れる
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ワシーレフ弓の数だけ敵堕とす彼ナポレオン蜂の如くに
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ばるぼらの薔薇の花束美しき夢の中にて御前と踊らん
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口裂けぬスライスチーズの感触やあな酔いどれし天使の数々
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音楽はロックがいいと言う君は瞳がキラリ輝いていて
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僕たちは属する場所を持ってない 持ってないんだ 寂しいけれど
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ケフナラバスコシハタヘラレソウカナアイキテイルノモタイヘンダナア
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東京へ飛び立つひとのまなじりを追っては沈む夜の浦和へ
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泡沫Utakataで出逢いたかった スマホから一瞬だけどつながりたかった
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つまらない だから捨てるね そう言って 今日も私は 生活に出る
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わざと笑いわざと恥じては君誘う他虐が僕をリアルから逃がす
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死んだ目で「論理的に」職語る貴殿方を憐れんだ俺ももういない
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目眩する絶望渦中君のこと思い出す度くる天国と地獄
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透き通る青天にさえ気がつかず群れに加わる新宿西口
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指の先まで満たしたい言の葉の脈へと潜りさらに奥まで
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わけもなく淋しくなる夜きみの声聴きたい気持ち隠しておやすみ
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雨上がり雫が光る月の下 花は静かに虫のを聴く
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月明かり緋色に匂う曼珠沙華 切なく凛とし我が目を奪う
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散歩道みどりの中に誇るあか 秋色吸い込み朝を駆けゆく
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ジャリと鳴る道を見つめるあの小さき足で確かに踏みしめられた
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いるはずだ時間泥棒きみといる日に盗まれるいつも必ず
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全身の毛が夕焼けの光浴び輪郭輝く小さなからだ
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真っ白なハードカバーにハート舞う二十年ぶり交換日記
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テレビから離れぬ父と歩く晩そばに愛犬のんびりおしゃべり
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インフルの床を這い出し 水飲めば ライフが一つ回復したよ
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降る雪を見つめ呟く男の子 この雪みんな お金だったら
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誤字をしてゴジラのように雄叫びを上げる 「ぴぎゃー!」 と そんな午後五時
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もういちど 歩きてえな と言う父の 言葉遺りて 消ゆることなく
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