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火星の鯨類に関するレポートを投稿しています

冬の樹は花火に少しだけ似てる 

走る人みんなが耳を冬にして沈んでゆくんだ町の夕暮れ 

寒い部屋ひとが怖くて夜が明ける 

手に垂らすシャンプー冷たく冬の来てシャンプーボトルに死神潜む 

お風呂っていつも仄かに死の匂い 

ああ君のパチンコ依存さえ綺麗、顔が好きってそういうことよ 

狂池くるいけやデーモン飛び込む鐘の音 

ひかりたつ少女のひげに揺れているミルクの雫ほどの性徴 

川涸れて龍骨キールのごとき粗大ゴミ 

公園で漏らした糞を土に埋め深夜に僕のお墓を作る 

死に人と同じ温度の蜜柑剥く 

ああ神よ、永久に死なない恋人に生き写しの子供をください 

スカートの折り目に滅ぶ愛欲よ肉塊のままの私を見ろ 

世界中みんなが死んでゆくような夕焼け電話にもう出たくない 

人は死ぬと水族館に行くという二人のための優しい密教 

どんぐりを集めて暮らす冬までは積立NISAのことなど忘れて 

除湿機のタンクに溜まる水かつて私であった記憶を持てり 

傘を差すそれを光と呼ぶのなら、雷鳴。死者とあなたのあわい 

カレンダー破り捨てれば十月の罪も報いも秒で過ぎ去る 

木犀の香水まとい街をゆくわたしが切った風から秋だ 

別れ際に手を振る姿が好き。君がまだ、そこにいるって確かめられる 

詩にならない気持ちばかりを集めていた。夕焼けを背に光を掻いて 

わたくしの歪んだ脳を通過する歪んだ君の歪んだ思想 

おっぱいを受話器のように耳にあて恋人の夢を盗聴する 

人死は薔薇一本に値して秋は夜空に薔薇降る季節 

美しい秋の陽気に老夫婦 墓荒らしには最適の日々 

死ぬまでは常温なのに腐らない漕ぐ人が肉、自転車は骨 

恋人の美しい胸の内側の紅茶で動く内燃機関 

美しい恋人ふたり風船を夢の終わりに破裂させ死ぬ 

夢のなか風船を抱く美少女のやさしいキスで世界崩壊