断られ帰る献血もできない私に何が残ってますか
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落書き帳「こんな僕でも献血ができた」途方に暮れつつ閉じる
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‪少しだけ垂らす血液A型のまごうことなき人間でした‬
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胸元に秋の気配感じつつ 「別れた雲はまたひとつになる」
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‪うつ病がなおらないからきみのこと好きな気持ちもたぶん病気だ‬
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詩の中へ嘘を練り込む役割の人差し指じゃいいねはしない
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黒髪の人ばかりいるのり弁が電車の口に吸い込まれてく
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‪のり弁ののりみたいだね見下ろした半地下にある電車のホーム‬
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せかいには光差し込む場所がありその切片を書き出している
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‪昔からファンですという顔をして本を読んでるどきどきしてる‬
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かたまりのローストビーフの肉汁が溢れみらいをはこぶ原発
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いそのかみふる雨ごとに秋ふかみからくれなゐに染まるうつし世
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‪居場所ならマクドナルドの壁際にこの喧騒に守られている‬
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‪幸せな気分でい続けることを今日最大のミッションとする‬
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リズさんの音頭を笑みつつ提唱し 優しいスマイル姉上の顔
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東京の券売機は吸い込んでゆく ひと月分の最低賃金
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高望みいかなるものか迷われる分不相応身の程知らず
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唯一の緑の楽園川崎の 「立花の森」水涸れ閉じる
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金色のちひさき星のかたちして秋雨に散る木犀の花
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緩やかに狂うを恋と仮定して 愛で正気に戻るか否か
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‪タピオカのふりして潜むこんにゃくにまた騙されたコンビニ帰り‬
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わかってた、独りでも呼吸いきできること 風がなくても踏み出せること
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‪一週間かかるだなんて! 欲しい本読みたい時に読めないなんて!‬
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将棋指す初心者からの母がいて 棋本独習で独学の三級
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海沿いの校舎に響く蝉の声 子供の声は春からない
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店も家も、時が過ぎれば空き地になる いつまであるだろ この町は。
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ケータイの 番号一つ呼び出して 眺めて消したこの夏も
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‪テンサイに生まれたかったまたは冬生まれたかったダイコンムスメ‬
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‪つぶは餌わたしは金魚くちあけて漢方薬を飲むおまじない‬
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しるべなきくらぶのやまに行き暮れぬ道だにてらせ秋の夜の月
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