クリムトの 絵のごとくに 愛しあう あなたの首が 細く長く
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麗しき その横顔を 盗み見る 人妻となりし 君なればこそ
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君の首、当てるいろはす冷え冷えの ああこのままで、ずっといれたら
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錠剤を飲む前のあの気怠さを、飲んだ後には忘れているから
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意味もなく止まらぬ動画愛でる猫 入眠逃した夜中の布団
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あの歌詞の追体験をするために桜のある道を選んでる
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建国に万国旗を思い出すパリっ子の画今だ忘れず
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環境を守るだなんだと偉そうに カミナリひとつで死ぬ分際で
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私は、と言うのはいつもおまえからずれ出しているおまえなのだよ
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あんなにも きれいなひとを 失くしても 世界はきれいなままなんだろな
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この世をば 我が春と思ふ 新月の 夜独り居り 酒煽りつつ
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学ぶほど空の青さが深くなる「勉強しか」は褒め言葉だよ
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一陣の風に吹かれて姿なく追って川面に桜流れる
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どうせなら何にもを知らぬままでいい  漫画の結末、喧嘩の行方
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本を読め毛を抜け塾行け転職だ静かな車内にうるさい広告
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十八の頃にもらった手紙の字インスタで見た婚姻届
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酒を飲み語り合いたい彼の手の設計担当した神様と
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春雨に負ける桜は見たくない試合は始まったばかりだろ
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空に咲く花より水面に咲く花を 儚く愛でる 君だからこそ
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樹液も死骸も宝石となる世界にヒトは何を遺せるのか
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猫追うて伏す 野に菫ちらり、ちらり
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人びとの残りをもとめ散る花の上を歩いてゆく鳩の群れ
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夏なので春の花粉は終わりです。終わり気分で換気している
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憲法を一かじりする翻訳者全員集まり頭抱える
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君と僕 まったくちがっているけれど 「ああ、同じだ」 と 少し思うこと
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もう何も見えないけれど手を握る君が泣くからここは海だね
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情報の砂塵にかき消されながら、とはいえそこにいるらしい人
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今更に嫌ったばかりの夜を思う 
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「あのライン、意味はあるの?」と聞く君の甘くない声にきっと勝てない
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先輩が僕だけくれたガム辛く「お元気で」すら言えないなんて
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