今のうち泣いてしまえよ今ならば 雪がすべてを零にもどすさ
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二時間前の君からの通知 返事出来上がるまでだ読めない
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翌日のおかずを作ってる途中 開けてしまったビールの軽さ
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とろろそば。ズボズボ啜れば、さもありなん。
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単純な肌触りの夜なのさ普通に生きて死んでゆく、ああ
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どうしてか 蝶は花に 誘われて 虜になって 飛べなくなった
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寒い日に思い出すのはあなたです 今夜の風は紺色でしょう
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歩道橋の上から少し眺めた欠けてる月は意外に近く
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生かされた また生かされた 生かされた 終わらせたかった 終わらせたかった
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毒にも薬にもならない不要不急の会話で癒される僕ら
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可愛らしい レターセットの封筒だけ 残されてゆく 去年と今年
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シャツがいつもより厚い生地だから それだけでふしぎと穏やかな午後
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加湿器が吐き出す蒸気をただ見つめ少し静かに心を撫でる
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どれほどの甘美なものかと手を伸ばし味わえないまま転がるは恋
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くらやみでうまれたこどもはひかりから逃げようとする習性がある
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神だとか 神じゃないとか関係なく 君はわたしの 『救い』ですので
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どこからか採ってきた花を撮る 二度奪われてもう花瓶は棺
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孤独には対義語はない 真夜中にきみとなぞった淵のぬくもり
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カマキリがヒョコタンヒョコタン跳ぶ昼間「雨が降りそう」「早く帰ろうよ」
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さっきまで月は冷たく尖ってた 両手に息を吹きかけて溶かす
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落ち込んだ 君の肩に 手を添えた わずかに感じる 君の温もり
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血が流れカサブタになり風化して忘れたころに剥けて血が出る
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今ここに何もできずに座ってる。体をおいて一歩踏み出す。
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スマホからケーブル伸びてコンセント届く場所だけ人と話せる
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エアコンの掃除モードが作動するハムちゃんが中にいそうな音
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再会を喜ぶ君を張り倒し歯を食いしばる心配したぞ
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眠ってる君の隣で煌煌と顔だけ光浴びてる私
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羽下を両手で包むクロバット久しぶりだね元気にしてた?
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焦燥も妄想も悲壮弾けそう 早々に終われ明日のテスト
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私は、詠われるのが怖いのだ痛みを誰にも上げたくないのだ
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