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むめがえに咲きぬとみえし花のいろ なごりの雪の烏帽子なりけり
3
ひかりと共に、はるなつあきふゆ
1
女学校 私は首席 さてさて今は 認知確かに 未だそのつもり
1
幼子に我が娘を重ね慈しむ。 想いは秘めつつ、今日も独り
1
嬉しくも悲しくもなし卒業は 落ちた涙をズックで消し去る
1
羨まし 君が押さえる動脈も 我が身と言えど妬心を隠せず
3
夢なんてそんなにいつもないけれど望遠鏡に「夢」と名付ける
3
この匙とおんなじものがもう一つあればと思ういや思わない
7
恋心 水に揺蕩い 流れ惑う けれど止まらぬ 鯉心
1
ペットボトルのラベルを剥く時の手が優しいところがあなたの美点
4
一つ見て 二つ見ては 枯れ葉かな 逸物のボサの心に父の愛
1
ぼんやりと歩く通勤路 ビニール傘越しに翳りゆく過去
2
桜の花が散ったらいなくなるあなたは春なんですね、せんぱい
2
教室でハズレ扱いされていた薄荷キャンディみたいなわたし
3
耐えるため切り吐き抱かれて酔い射った君と同じさ言葉を飲んだ
3
いつの間にこんなにちいさくなったのか 遠ざかりゆく祖母の背中は
2
青春は夢とおなじだ ピンボケで目覚めた順に消えてゆくだけ
1
わが世をば思ふ
様
(
さま
)
にて生きたかり子といふものはなくてありなん
1
父だった人から届く売り言葉 買わずにおいてよかった日よ来い
11
懐かしい香りの風にため息を 柚子の大馬鹿 よく言ったもの
1
完全に何の非もなく仕方なく苦しみもなく退場したい
3
春風に無色無臭で
融
(
と
)
ける
様
(
よ
)
に散りゆくことが将来の夢
3
会議室独りで借りて靴を脱ぎ床に仰向け
灯
(
あかり
)
眺める
3
ベランダでとろりと微睡む陽光の春はる遥か空は晴ればれ
2
桃色の梅の木に咲く緑の葉 感じる春にちょっぴりブルー
1
動物が不思議な仕種をしてるときだいたいそれはいのちの営み
1
いつかした君とのキスは時間差で苦く感じる 目薬みたいだ
21
春先の朝の寒さを集めては年度の終わりに来たる寂しさ
4
段々と密集度合いが詰まりゆく 建物眺めて都心に近づく
2
焼き魚臭い少ないグリル焼き片付け楽なフライパンかな
3
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