さよならも 逆転もなし 人生は それなりのこと それなりとなり
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したことと 願ったことを 並べては 己の値打ち 白日の元
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裁かれて ぐうの音も出ず 引き下がる それがこの世の 目的なのか
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人間は 傍から見れば 愚かだが 幸せ求め 本心のまま
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どうしても 己の欲が 顔出して してはならない ことをしでかす
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あけまして おめでとうとか 言う前に 何も変わらぬ 己に恥じる
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短歌では嘘もつくけど短歌には嘘をつかない 愛されもしたい
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新年だ。愚痴も剣呑もまとめたら、君らおせちの具材になって。(※家)
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おそらくは今年も猫と親と我闘いもあり愛されもして
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なぜだろう畳のうえで眠るたびあの世みたいな夢をみるのは
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寒すぎて除夜の鐘聞く布団中吾の犬も吠え除夜の鐘聞く
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「もうない」とつぶやく誰かがいないので「ない」がどこにもまだなかった日
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目の前で終電を逃す「わざとだよ」かわいい悪魔が毒薬を盛る
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年の瀬のオフィスの消えないLED眠らぬ街よ眠れないのか
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僕達は居場所を求め惑う群れ震える声を寄せ合いながら
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帰省時の久し振りの新幹線富士山見忘れいつもどおり
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独り軽くビールあおればいい夜で雪雲の風に竹の囁く
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踏切の手前の一時停止にも似たゆるやかな気持ちは降りる
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禁呪が地で這うような場所に幽霊ゴーストは見当たらず、ホラー映画をひとり
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終末の秒読みもなくふんわりと人も巷も暮れ果ててゆく
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悼みなど 誰にも見せず 生きてゆく 僕の心は 僕だけのもの
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ノーと言い 言い続けても 何もなし イエスと言えば 奇跡が起きる
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大みそか荷台にソリとトナカイを載せて北へと向かうトラック
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現実を 抱きしめるなら 現実に 豊かな恵み 受けられるのに
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暖かき 血潮流れる 人間の 全てを愛し 拒否するなかれ
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目の前の 人を愛せず 軽んじて 永遠の命に 堪えられようか
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永久に 天に玉座が なかりせば この世はすべて ただの幻
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目の前の 舞台は回り 移りゆく されど演者は それに気づかず
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ひと時も 川の流れが 留まらず 風が吹いては 何処か消える
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別れとは いつか必ず 来るけれど その時までは 感じないもの
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