届かないと知っているからいくらでも闇夜へ流す紙飛行機
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言いにくいことを言わせた僕の罪 誰か償い方を教えて
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伝えたい気持ち溢れて筆をとるが読む暇あるなら休んで、推し
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午前5時ロップイヤーが道端でクリームパンを食べていた夢
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無意識の呼吸やまばたきを見ていたい 存在と実感あなたの横で
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プラごみを捨てた途端に収集車 あぶねーあぶねー 間に合ったなぁ
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もういいかい まだだよ お日さままだ出ない 木枯らしに首をすくめて歩く
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爪を切る横顔はみな穏やか傷つけまいとする自愛の心
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塾帰り 廃墟の工場跡よりも 恐い何かが こんなにあるとは
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これは恋と いったらもう 戻れないから 自分の心に 今日も嘘つく
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『好き♥️』だとか 『ガチ恋♥️』だとか言ううちは 恋でもないし愛でもないのよ
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白ニットワンピを着れる しとやかな暮らしを送りたいものですわね
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君思い 安いニットの毛玉取る はさみの音と ほうじ茶ラテと
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墓碑銘を書かれるような人生を送ってなくてもそれは書かれる
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これは恋だとした方が美しく見えそうなのでそう呼びますね
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殴られて思い知ったのは痛みじゃない 傷つけてよいと思われていたこと
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自分には他人の音を借りないと 自己表現すら言葉にできない
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この命きっとかっとで少しずつ 削り慰め浴を満たす
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君のこと考えながら食べたパフェ 悲しいほどに甘ったるくて
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ふとシャツを見れば羽虫が簾状 全力でかつやさしく払う
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少子化というが 自死と子捨てがほんとの理由
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日の入より青果コーナーより季節映したるきみ換毛期ころもがえ
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最後まで 貴方を背負える自信がない だから手を差し出せないでいる
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心臓をうしろからわしづかまれる満身創痍ハッピーエンド
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君の手を握って飛び乗る22時 乗車駅では降りられません
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ベネッセの模試が終われば英検よ わかった母さんやるからやるから
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泣きながら寂しく歩く。傷だらけの足で行って、ただ休みたい。
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「むしろ」とぬるいビール飲む それ以外の夜も夜風もすべてが常温
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親指は何を思うか深夜二時目よりも近く光を浴びる
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向日葵は太陽を愛し見つめてた 枯れた姿でもう冬と気づく
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