熱湯や お肉飛び込む つゆの音 ごまだれ浸かる しゃぶしゃぶ愛し
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いつかまたきっとどこかで逢えるから どこでもドア は必要ないよ
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哀しみを 怒りに替えて放ったら どうなるんだろ ヒトじゃないか
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ドラえもん タイムマシンを貸してくれ 行かなきゃいけないところがあるんだ
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青色のつめたいものを見つけては炎のことを否定している
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頑なにうなじみせないきみだけど 一度だけみえた、蝶々のタトゥー
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「ともだちになろうよ」なんて言えないのこれが目指してた大人なんだよ
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マイナンバー、次から次から、まいったナンバー、まだまだ遠い、デジタル国家
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実家の鍵キィ ぶら下げてある 四星球 一個だけでは 神龍呼べぬか
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何もない 俺に光をくれたから 失くしたあとが 耐え難い闇
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他人事、いつかは、きっと自分事、 生き抜く知恵です、危機管理能力
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彼女から一緒にサボろと誘われて社食で過ごす時間の尊さ
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育ってく梅の実を見るもう時期で母リタイアだどうすればいい
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あの恋を原稿用紙につづったら 私の想いは完結しますか
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向かい側駅のホームに君を見る すれ違ってくふたりの時間
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パート終えひとりコーヒー飲みながら Utakataのぞく至極の時間
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学生さん 何度も何度も 振り返る 君の視線の先にはなにが?
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日焼け止め がっつり塗るほど 余力無く ベビーオイルで 保湿だけでも
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台風の合間に実家 往復す 気力体力 保ってくれよと
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緑なす 早苗を揺らし さやさやと 梅雨の合い間の 風渡りゆく
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コンビニで 仲いいですね 言われた後 いつも二つを 買わねばならず
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曇天のキミの家の庭先で夏を夢見る琵琶は食べごろ
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腰掛けて 緑眺める 昼下り やがて目を閉じ 鳥鳴くを聴く
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この世から君が消えても変わらずに山手線は回り続ける
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散り落ちる、薔薇の花びら、描く軌跡、そよ風と共に、ラストダンス
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飲み込みの悪さがいつもぼくだけに周回遅れで解を与う
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ねこたちは ご用が済んだと おもってる すまんねオヤツ あげたら出るね
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手を引かれ園児が池を覗き込むおたまじゃくしはまだいるかなと
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ありふれた水底透ける浅池のまわりで拾う短歌のかけら
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紫陽花の花を昨夜は 撮りそびれ 退院してから 一緒に見よう
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