いい子をね、演じられたらよかったな。傾いた屋根、寂寞の月。
7
久方に、家族を想う、どら息子。妹（いも）の痛みは想像すら超え。
4
魂はくれてやらない　唐突に休日勤務の打診されても
6
妹の結婚式を想い出す晴れた四月嘘ひとつない空
10
五・七・五・七・七短歌難しくしかし楽しく詠むの止まらず
5
あなた様正直に想い書きました私の短歌読んでください
3
無白色照らすあの子のアイシャドウキラキラ光る涙色の水
4
雷と強き雨音やり過ごし何もなかったような夕食
7
キッスとはなかなか照れるものだけど愛情込めた贈り物です
4
過ぎ去りし三年天下　飲み会に行けぬ理由のストックを積む
5
故郷（ふるさと）の情景まぶたに描きつつ風を浴びて今日も生きる
3
大丈夫？何気ないかもしれないが相手を想ってかける言葉
5
私だけ胸に想いを秘めたままなかなか言えずに時が過ぎた
3
雨の祇園八坂の社（やしろ）で夜桜を見たあの日から何も変わらず
8
雲隠れ心は表現しづらいが歌は感情伝えてくれる
3
ドレミファソ初めて知った家のピアノ今は濁った音がしている
3
全能の神が世界を作ったのなら俺のこの悩みはなんだ
6
ハーブティー　飲んで寝ようと　した途端　猫がケロケロ　片付ケロケロ
5
すぐそこに　梅雨の足音聞こえてる　君に似合うは虹色の傘
8
路地裏の隅で煙草の火を貰う私に誰も気づいていない
9
目の前のえものと交錯した目線あいつもなにか撃とうとしたの
3
今日だけは今日をあきらめたくはない前傾姿勢のままうとうとと
4
愛らしい切手を見つけ、思うこと あなたを思い出せる幸福
5
足おそき人にうまれて雨乞ひのダンスを踊る大会前夜
4
片想い実ったことはないからね棺は早めに用意しててね
3
給食のきゅうりをのこす九歳は急進的な球児でもある
2
波飛沫　負けないくらい　叫んでる　抗うことが　君にはあるか
5
猫さんが脚絡みつく糸を引きあんたいったい何がしたいの
9
怒りとは　自分自身を　焼き尽くす　深呼吸して　去る時を待つ
18
思い出す夏で火傷をしないようずっととなりで名前を呼んで
7