ナナカマド枝おろされてアスファルト昨日と違う影絵を歩く
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恋煩い 煩いとは名ばかりのただの 脳内ホルモンの分泌さ
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超伝導 抵抗値がゼロにできたなら あの日あの時 言えたのかな
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スマホ買い 出番のなくなった デジカメは 本棚の隅で 埃をかぶる
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鏡の中の 僕の額を 見て君を 思い出させる 水疱瘡の痕
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諦めて 正しき道を 極めれば 賢き人と 称えらるべし
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美しい 人はいつでも 慕われる それ故実は 心冷たし
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理想的あっけらかんと闊歩する善悪そんな隙もないほど
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今確か何かをしようとしてたはずえーなんだっけ?あ爪切りか
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何もかも我が身に叛く わたし、ただ、あいするものを、あいしたいだけ
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死神を騙す男の落語聴き白髪を染めるわれ誰騙す
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七夕も夜はあんがい冷えるねと囁く君は大根役者
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何を食べても結局はこの身体になってしまうというつまらなさ
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文章を考えようと悩もうと 目の前にある白い景色よ
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コーヒーのカフェインでぐわんぐわあんの頭の中で降る蝉時雨
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追っても届かぬ愛ひとつ探しもがいて今日も酔う戻ろうあの日へ
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裏面を見ながら表も見ていたいピカソやこれが愛でいいかい
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ゆうべ見た夢のつづきとまごうほど百合に集いし蝶々の宴
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終わらない夢を見ていた。ここにだけ重力がその牙を剥くまで。
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かなしみは連鎖する、そういえばわたし、卵も片手で割れないままで
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飢えてから齧ったパンの耳はそりゃ旨かったけど、だからと言って
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言いたくて 言えない想い 言いたくて 言えずにただただ時が過ぎる
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缶コーヒー 苦味と酸味 そして青春 名残の惜しい最後の一滴 
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日に何度も見かけるあれはヒメジョオン固有種のふりして咲き誇る
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脈アリだとか脈ナシだとかはしゃげる仲じゃないわたしは幽霊
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天の川銀河の隅に置き去りの地球ぐすんと泣いてるらしい
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小走りてマスクつけてたらその内に原子サイズの湿虫が這う
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不確かを確かにしたくなる夜に瞬くことも叶わない星
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恥も世も無き恋 僕がため君よ狂おしくなってくれないでしょうか
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現代的魔術的偏愛的な波と粒とのあわいの私
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