春の野に雲居に上がる夕ひばり霞を分けて声ぞ落ち来る
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上着だけ 置き去りにされ 窓越しに 散歩の吾を 恨んでいるよう
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五年前きみが好きと言ったフラクション ほんとうのわたしはもう瓦解した
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東風吹かれ 草花芽吹き 春を告げ  桜咲くころを 焦がれつつ待つ
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実芭蕉よ お前はどうして こんなにも  旨いの甘いの美味しいの
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ねこたちは 今日は眠そう 雨模様 ねこベッドにて おふたりさまよ
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今日はだらけよう 毛布とブランチ カーテンの向こう青空は濃く
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春の雨 さめざめしとり ダウン濡れ 野菜に卵 抱えて帰還
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長旅の 果てなき徒労に 轢かれては 行き交う道に 残る名もなし
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赤い糸なんて信じてなかったが大谷夫妻見て考え変わる
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瞼越し春の光を贖罪にあるいは罰としての沈黙
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語らいて門出間近なひとときを共に過ごすか風の吹くなか
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石鹸のように小さく薄くなり。母なる人のフォルムとおと
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魚の群れが押し寄せるように笑顔で揉みくちゃにする
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春なのに浮かぬ気分の要因は 明日に控えた乳ガン検診(定期)
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疲れてる今朝にハニーのカフェオレを クイニーアマンを食べ比べする
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卒業の涙のあとも続く日々 ぼくら終わらぬパレードの中
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「お供えをありがとう」と義母ははの声 義父ちち逝きてなお二十年を生く
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髪の毛を切ってくれる?と再びの訪問怠くも邪険にできない
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病棟の 父への葉書に歌一首 余白で伝わるものの多かれ
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愛に濡れ 愛に渇いて枯れ果てて 思い出だけを こころに抱いて
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時うつりweb3の世となりピロピロとふモデムの音の今は懐かし
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埋めちゃえばいいよあなたへ伸びる手も過去から呼びかけてくる声も
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コロナ下に父母の遺影を描きし私のパソコン いざ初期化せん 春彼岸故
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小さくてふくふくの熱い手のひらが 世界で一番愛らしく居り
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実家での 食事はおいしい 物ばかり 完食するのも 親孝行かな?
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白黒の牙をあなたに剥き出して打楽器だよと言い張るならば
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花韮のちいさき花はかぜにゆれ みつばち一匹弧を描きとびゆく
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彼岸入り昨日きぞの売り場に〈牡丹餅〉の多く並びし光景なども
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初めてのワンマン列車にあたふたす 笑ってくれるな一人の遠足
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