Utakata
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通気口
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花びらを毟るみたいに
翅
(
はね
)
ひらひら 僕らを縛る引力は愛
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ビスケットの魔法のかわりに重なった手と手がまとめて入るポケット
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明日から寒くなるからポケットにわたしを入れる覚悟しといて
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卒業の涙のあとも続く日々 ぼくら終わらぬパレードの中
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生き急ぐようにつぼみは膨らんで 薄紅色の笑みを覗かせ
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言葉にはならない澱がざわめいた 春の気配の疼く夜には
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理性とか常識とかを脱ぎ散らし
攫
(
さら
)
われるには良い月夜です
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またすぐに行ってしまわれるんですね わたしが春を愛していても
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将来は何になりたい? 回答を待たずリネンに鋏を入れる
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木の
洞
(
うろ
)
の小鳥のように靴底の穴に小石が隠れていたの
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春になれば離ればなれになる君の爪のかたちの月を見ている
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肩寄せた弥生の雨の夜の中 あったかくしてと酔ったふりして
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そもそもね、立春だとか言う癖に春じゃないです 座るな! 立て!
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もう春は来たんじゃなかったんですか 終わる終わると詐欺ですよ冬
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薄紅のさくら壺湯に舞い降りた 花見の酒に肩まで浸かる
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病めるときも 健やかなるときも 僕たちはパピコ二人で分かちあいます
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「心なんて変わるものだよ」「これ以上好きになるってことか。怖いな」
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水仙のかんばせ白くささめいた 少女の群れのしたたかな毒
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いつだってここにいるから 降り積もる記憶はマリンスノウの水底
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あでやかな花嫁衣裳の白木蓮 春は別れと誰が決めたの
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悲しみがひとすじもない晴れでした 革靴の底で踏み躙る花
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お互いのかたちを誰より知っているけど運命になれなかったね
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きみとまた机をつけておべんとを食べる日はもうこないんだよね
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さくらさくら 水路の隅で腐りゆく きれいなさよならなんてないんだ
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