Utakata
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「される」生 僕の道には 小石もない 不便な世界に 餌を貰いたい
1
幸せの沸点わたし高すぎて低い貴方と分け合えなくて
1
DMM.R18覗いたら不気味に嗤うFANZAのロゴ
1
朝の四時半になろうとする部屋は蟬の鳴く声だけが聞こえる
8
悪いのはあなたと私二人だけ 唯一無二の共犯者さま
0
満月は白磁を割りて雲におき朧のうちに横笛をきく
3
垂直に空から落つる無意識はハチドリなりの承認要求
3
1と0の世界に支配されながら2となる
真青
(
まさを
)
へ鴎とび立つ
3
寝たきりの 父の足の爪を切る 猛禽のような鋭さ残る
4
この人にも家族があるんだろうなあと想像させる顔の店員
4
その先へ跳ぶためにこそ境界に横一文字白線を引く
9
服を買う きみと会うとき着る服を だけどまだその約束は無い
2
類は友 あのうそつきめ さいごまで 何が本音か分かりやしない
1
違うよと否定の言葉出てこない そうならいいと願ってしまった
1
くりかえしくりかえし見る窓のない長い廊下をさまよう夢を
2
逢えたとき楽しそうだなこの人は 嬉しいのかな そうだと良いな
1
知られたら崩れてしまう幸せを剥がして良いの?嫌なら行って
0
無理をして貴方を好きでいるよりは私を好きな私でいたい
4
つかの間の逢瀬に君が言う「幸」にルビを振るなら「うたかた」でしょう
2
陽は射して土くれの舞う甲子園 いざ若人の闘いの時
1
減らないよ 言ってはみても緩まない 仕方ないから背に腕回す
0
「ほらおいで」差し出した手は取られずに さみしさ誤魔化し「いいから早く」
2
いつにない 真剣な瞳 見せるから 蓋したはずの 気持ち溢れる
1
箱といふ折りめ正しき空間へ入りぬるものもの落花
狼藉
(
らうぜき
)
1
ひとつづつ居どころを得て納まれる石や
木
(
こ
)
つ
片
(
ぱ
)
の
長閑
(
のどか
)
のかたち
1
箱のなかひつそり過ぐる時間より終のすみかを教へてもらふ
2
睡眠とテレビゲームでできている 私の夏は衰弱していく
2
ミスターインクレディブル見て損したつまらなくてイライラした
1
真上から太陽が照りつけて遠くで鳥が鳴いて気絶しそう
1
にじ色の蒸気の波を廃園に 褪せた
vinyl
(
ビニル
)
はしめやかに鳴く
3
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