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舞う蝶を 目で追いかける 猫の背は 時を静かに 流してくれる
21
初夏が来る手ぬぐい首に掛け始む
涼暑
(
りょうしょ
)
も共に
塩梅
(
あんばい
)
が良し
15
その気質 持って生まれたものなのか 何かがあってそうなったのか
15
去年から 来た初夏風に 混ざってる 懐かし君の
仄
(
ほの
)
かな匂い
9
夜の街流れる車列光る川何処に向かうか誰が待つのか
15
高砂の松もあはれと思へかし友に遅れて老ゆるこの身を
9
ビーナスの石膏みつつ古き時代の作り手思ふ
9
朝ぼらけ翠の山に霧の立つ通院のみち山くねり行く
16
ガンセンター鯉昇りくる励ましの 来年も逢う指切りをする
26
カチカチと 時計は進み いつまでも 変わらぬ自分が 撮られた写真と
8
「ただいま」と鸚鵡返しで抱き疲れ ままもいいかな三歳終わる
8
いい天気お出かけしよとキミは言う 大丈夫俺はどこにも行かない
6
好々爺 看護師さんの前でだけ 家族はむっつり 柏餅食む
35
母が住む古いアパート顔出せば まずは座れとミネラル麦茶
10
酒蔵の多めの試飲に舌笑ふ ほろ酔ふ初夏の緑の杉玉
26
トンネルの向こうに虹が待っていたもう古希にまだ五十年ある
6
床の間に一年ぶりの武者人形。飾る吾らの手の老いにけり
11
今日もまた朝介護から逃げたいも妻の笑顔にさあちゃんとしろ
14
ぼろぼろのぼろぼろの人生をただひたすら酒を飲む
5
「もういいよ」 思い巡らす 贅沢さ まだまだ先が きっとあるはず
12
誤嚥して 夢の中から 飛び起きる
微睡
(
まどろ
)
む今宵 スマホ片手に
8
たぶん寂しいんだと思う、サボテンの棘にほっぺをくっつけてみる
12
溺れてく 自慢だらけの 海の中 今日も誰かの サーフィンの音
5
貧乏とハラスメントに耐えてきて生活保護がシェルターになる
15
世の中は 「差別、性別」 言うけれど それは綺麗な
言葉
(
バラ
)
の棘かも
6
真面目だけが取り柄の母娘職員に「保護の手本」と褒められ泣いた
16
柔らかな
灯
(
あ
)
かりと
天井
(
そら
)
の 白い色 一人も案外 悪くはないかも
4
「死にたい」と「消えたい」気持ちは一卵性 似ているけれど少し違うから
4
五七五七七で揃える短歌とは 言語パチスロなのかもしれない
5
向かい風 進む我らは 耐え忍ぶ 柳のように 柔く強かに
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