舞う蝶を 目で追いかける 猫の背は 時を静かに 流してくれる
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初夏が来る手ぬぐい首に掛け始む涼暑りょうしょも共に塩梅あんばいが良し
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その気質 持って生まれたものなのか 何かがあってそうなったのか
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去年から 来た初夏風に 混ざってる 懐かし君の ほのかな匂い
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夜の街流れる車列光る川何処に向かうか誰が待つのか
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高砂の松もあはれと思へかし友に遅れて老ゆるこの身を
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ビーナスの石膏みつつ古き時代の作り手思ふ
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朝ぼらけ翠の山に霧の立つ通院のみち山くねり行く
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ガンセンター鯉昇りくる励ましの 来年も逢う指切りをする
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カチカチと 時計は進み いつまでも 変わらぬ自分が 撮られた写真と
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「ただいま」と鸚鵡返しで抱き疲れ ままもいいかな三歳終わる
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いい天気お出かけしよとキミは言う 大丈夫俺はどこにも行かない
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好々爺 看護師さんの前でだけ 家族はむっつり 柏餅食む
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母が住む古いアパート顔出せば まずは座れとミネラル麦茶
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酒蔵の多めの試飲に舌笑ふ ほろ酔ふ初夏の緑の杉玉
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トンネルの向こうに虹が待っていたもう古希にまだ五十年ある
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床の間に一年ぶりの武者人形。飾る吾らの手の老いにけり
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今日もまた朝介護から逃げたいも妻の笑顔にさあちゃんとしろ
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ぼろぼろのぼろぼろの人生をただひたすら酒を飲む
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「もういいよ」 思い巡らす 贅沢さ まだまだ先が きっとあるはず
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誤嚥して 夢の中から 飛び起きる 微睡まどろむ今宵 スマホ片手に
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たぶん寂しいんだと思う、サボテンの棘にほっぺをくっつけてみる
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溺れてく 自慢だらけの 海の中 今日も誰かの サーフィンの音
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貧乏とハラスメントに耐えてきて生活保護がシェルターになる
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世の中は 「差別、性別」 言うけれど それは綺麗な 言葉バラの棘かも
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真面目だけが取り柄の母娘職員に「保護の手本」と褒められ泣いた
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柔らかな かりと天井そらの 白い色 一人も案外 悪くはないかも
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「死にたい」と「消えたい」気持ちは一卵性 似ているけれど少し違うから
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五七五七七で揃える短歌とは 言語パチスロなのかもしれない
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向かい風 進む我らは 耐え忍ぶ 柳のように 柔く強かに
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