新月の染み入るような暗さには競い合うほど星が煌めく
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君がいない寂しさ紛らわすためと言い訳そえる贅沢なディナー
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僕を好きだと言う君を僕も好きになれないバグで処理落ちする
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好きなのは「忘れないで」と言ったとき「忘れないよ」と言えない真面目さ
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生命は勝手に湧いた、としておこう。事実だし恨む相手が減るし。
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先輩が好きな乃木坂 可愛くて努力もしてる どこも勝てない
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酸素やらカルシウムやらをくっつけたピクセルアート 人と呼ばれる
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蝶々ってムカつくくらいきれいだな ホチキスで翅を綴じる
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どんな日も しゃんと立ってる 標識さん、お顔のその泥 拭ってあげたい
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すきだよと告げた途端にときめきが爆ぜて俺たちまとめて焦げる
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したたかに、けどしなやかに、我が道は、人と交わり続けるミチだ
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結局は理屈じゃないよな人間は。誘惑からしか始まらんストーリー
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この後の展開を期待して待てよ。こういうのが君ほしかったんだろ
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モーフィアス、モノリス握ってぶん殴る。秋の記録を塗り変える春
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肺の中よどんだ空気を入れ換えるために川沿い歩いて帰る
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ライダーカードがあつたと聞けば走りゆくトタンの屋根のスーパーセンミ
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ポチいない タマもいないし ミケもなし おーとどきしー 気のまよい
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家族でも友人でもないわたしたち 最後の夜は今日かもしれない
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雪晴れて今宵見初むる三日月の春ほのめかし霞む山の端
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いつかくるさよならを言う日のために泣いても笑える練習をする
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逆光は生身の君を護るため零から全へ作用している
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肝向かふこころに色ぞなき 今日の涙に色の絶へてなければ
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ケガおチビ じいじも見舞いに来たという 天に向かって見守り感謝
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寝かせたら 旨味増してく イカのよに 私寝るから 増せ人間味
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胃もたれは因果応報模式図の指し示したる唯一の真
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嬢ちゃんに会いに寄ろうと思ったが吹雪もよせと言う旧道は雪
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首に輪を掛けられたまま後ろ手に縛られて立つスチールライフ
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ここが北極ならば花束できみの頭蓋を砕けるのにな
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輪廻って 終末論より ふるいのか 四季でうまれて 冬去れば卒業
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たとえあれが意志の力で落ちていても異界の我らは重力と呼ぶ
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