ふゆがれのひなたはどこもふるさとのうつむくひとの目尻の陰影
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稲妻は意外と素直に「いなづま」と読ませてくれてサンキュー地球
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十八時着終点のバス停で マナーモードはまだ切らないで
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裸木はこの指とまれの指のような枝にさびしい星をとまらす
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眠れない夜があるのはきっともう夢を見るのもしんどいからだ
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「確かにね見栄えはぱっとしないけど根はいい人よ」って言われてもねぇ
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「ここ違う。平面だから偏微分。」先輩の指めっちゃ長いな
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全力で「待って」と言われ全力で「待つよ」と言った街角の唄
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あぁ そうか 何かいいことあったんだ 相手はきっと私じゃないけど
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雪の夜は静かなれどもパトカーと救急車の音遠くにひびく
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主役なら水煮でしょうとサバ缶の味噌煮隅っこいじけて漏らす
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教室は海なのでしょう魚らは自由求めて鱗を剥いで
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寒いけど布団入ればあったかい ベッドでスプラ幸せだなぁ〜
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また一人 孤高の男 旅立ちぬ 浪花の大砲 あまりに急なり
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大切に育てられたのでしょうと君は笑う 何も知らぬくせに何も
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照明をフルパワーにして眠ること月が知ったらどう思うかな
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事故だろかサイレンを聞き事故だよねサイレンを聞くたぶん近そう
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失うのが怖くて何もできない 元から何も持ってないのに
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二日酔い 今は無性に 甘く煮た 田舎の母の りんごが恋しい
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顔面に投げつけられた割り箸のゆくえが未だに判明しない
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この街ももう八年目 駅に着く僅かな揺れで現に戻る
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『もうすこしがんばりましょう』の赤ペンの文字を背負って生きてきました
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結露した電車の中の窓ガラス氷りしほどに今朝は寒きか
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快速に乗り込んでくる人ら皆メガネ曇りて面白きかな
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駄歌を詠む一万二万と駄歌を詠むそれを続けるずっと続ける
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傘を差し顔を見せずに歩きゆく細き女性を美人と思う
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喫煙は肉を貪るようなものさもしくもあり哀れなるかな
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愛に似た呪いのかかっている私 服は全て母の好きな紺
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暴風で揺れる窓の音聞きながら嫌いな女のインスタを見る
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濃ゆいのにしろと前行く白セダンホワイトアウト無理言ってみる
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