星空に今日の平和を感謝して 明日からもまた静かに生きる
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蜂窩織炎 朝言い合いし 妻先に 心配するか 我感謝なり
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お腹の子 立派に成長していたな 嬉しくなった 父でなくても
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君想い夜空見上げて思い出す 短歌うたは私を乙女に変える
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憧れを結んで開いてこのかたち 無様だけども歩いていける
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「またね」を言った一等星、「さよなら」も言えなかった三等星ら
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こんなとこでやめるものかと筆を取る まだ真っ白な「わたしのつばさ」
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この雨は豊かな森を育んでいつか誰かの涙にもなる
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実家から千キロさきのからっぽの部屋からぼくの生は始まる
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ホームにて 故郷の空き家を 懐かしむ 写真見せてと 百待つ母よ
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丁寧に水と肥料をあげていてカーネーションにまだ花はある
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餃子焼くフライパンからはぜる音明日はきっと今日よりは楽
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春生まれのあなたを好きになったから青い花が忘れられない
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別れゆく 元妻作った 三度の食事 最後のサービス 喜ぶ友よ
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忘れてた今週支える常備菜 こんな時間にきんぴら作る
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月餅を 初めて買って 未開封 あした満月 食べてみるかな
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思い出は白い雲立つ夏休み 祖母が鳴らしたほおずきの音
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スーパーのミックスゼリーを食べながら るるぶをめくり旅程を悩む
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振り向いた君のほっぺを指で押し参りましたと言わせてみたい
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常はなし そらの広さも 人の世も 移ろい続く 時といふもの
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優しさがたりない今日を振り返るいつかあなたもいなくなるって
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コロナ禍で 久しぶりだよ 妻とクラブ 若き頃にか 戻れるかもね
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2ヶ月も 体おまえ無視した罰当たり スマン、も一度 共に励もう
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青い鳥離れていってもいつの日か きっとみんなどこかで逢えるよ
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毎日は頭が詰まっていくようだ低い雲が来る並んだ我らに
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食べれるよおかずなしでも 隠密にご飯の上に焼き肉のタレ
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友達に分けてもらったクワガタと勇んで帰る夏の少年
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通りすがり そんな予定はなき四十路 金魚すくいが まだまだ楽しく
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ねこ、おうちゃく かんづめたべて まんぷく寝 食後のひとくち 首だけ伸ばす
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切ないな いくら詠んでもこの気持ち 君に届く事はないから
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