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何者にも規定されない時間こそ、第一等の輝きを得る
2
僕がいま探し求める
故郷
(
ふるさと
)
は 弱さと共に生きる里なり
2
愛なんて 死ねと殺すのミルフィーユ 君がいるから成り立つ気持ち
6
素直さが無意味だと知る真夜中に あなたのことをなにも知らない
3
共依存機能不全で育まれ歪なままで大人のフリを
2
なぜだろうきみと出会った日の夜に万引きをする夢を見たのは
3
カラーシャツ売り場できみの瞳だけパレットにない色をしていた
4
辛いのは吾だけじゃない共有の傷みを分かつ愛の歌詠み
1
浦々を掠め盛夏の洋上にヒバリ巨きな疑問符を置く
2
鳴き声は 異性を惹き付けるためらしい 僕の嘆きは 頬が引きつく
1
私は 殻から出れぬ セミである どうかパキッと 潰してください
1
美しい君の横顔、背の高さ。忘れたかったが改めて知る
1
檸檬にも本の匂ひは残れるや触れあふ点の刹那の
縁
(
えにし
)
2
本の上無為に置きたる檸檬にも定まる点の必然やあり
4
繕った言葉ばかりが物語る わたしはわたしを犠牲にしている
5
四つ辻に埋めたことばを掘り起こし灰紫の海に溺れる
2
ただ一度肌を重ねたそれだけで傷つけられた証に出来ず
0
「どっか行こ」と騒ぐ朝の声を左から右へ流す扇風機
0
ゲーセンの壊れたレバー押したときたまにふりむくきみの清しさ
1
おだやかで足音立てない君の死は ベルベットみたいな手触りだった
0
ことのはの林立してゐる気色より歌にほひ立ちときに迷へる
2
葉はあまたいづれを
選
(
よ
)
らば光り来む
永久
(
とは
)
にかかやくことのはのうち
2
西つ方うす色にじむ階調を紫陽花雲と名づけてみむや
3
平積みの本の
天辺
(
てへん
)
の檸檬へと夜は月光こぼし与ふる
3
ほの光る檸檬のかたちの放ちたる南の島のカナリヤのこゑ
3
瑠璃鉢にみづをたたへて花びらと葉を浮かべただたゆたひてみむ
1
間違ったラインからきた返信が 久方ぶりの会話となりぬ
3
旅先の君がノートに書きとめぬ夏を小さな歌に留める
3
さいはて
(
∞
)
と
僕
(
i
)
のあいだに横たわるリーマン球を弄ぶ君
1
0キロのお菓子を食べて泣いている口のニキビが痛くてしみる
1
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