センスとか能力だとか資質とか超える何かに触れる日がある
35
夏の日の 八月の雨 しとしとと 光り輝き 陽炎昇り ひまわり揺れて  まどろみ覚めて 夏終わる
5
絹布団掛けたるやうな春の夕無人機攻撃続く国あり
23
長渕も美空ひばりもXエックスも平成元年流行歌きく
13
あのね私が短歌を始めたのはあなたが素敵だったからです
12
この世界僕だけほんとで僕だけが 君たちの嘘を抱え生きてる
7
「行かないで」 猫なで声で 言う君の 裏を知りつつ 飛び込む火中
14
縁側で我が良き友とヘボ将棋 詰みを憎んで人を憎まず
12
朝起きて時代劇見て気になりて原作を買う百十円にて/NHK・陽炎の辻
14
紛争で石油来ないと世は騒ぐざらめ煎餅パリパリと食む
16
山を越え川を横切り風に乗り気にも留めずに鳥は羽ばたく
16
ドライブが苦手だったね いつまでも  早く帰ろと か細い鳴き声
8
アゲハ蝶みかんの若葉に産む卵小さな命ぞ薬撒くのか
12
草の根に 命の息吹 感じたる 土を押し上げ 光に向かふ
34
愛しさと哀しさ混ざる夕べなり「雪かきするぞ」という父の背に
24
「折り返し過ぎた」と笑い飛ばすけど検診前夜のお茶は苦くて
25
美しい桜の下の人たちが汚いゴミをまわりに捨てる
6
君の行くところ 全部僕を道連れにしていって
5
「ごめんね」がコーラの泡に溶けなくて我が子の背中を追う帰り道
40
断ち切れず しまい込んでた過去への想い 衣類と一緒にスパッと断捨離
19
釣り人が チラホラ居てる 海岸で 見つけたのは あの日の欠片
15
君の詩を辞書に選んだあの夏にきっと私の恋が芽生えた
9
何にでもなれるし何でもある国でひとりの不在に錨を下ろす
13
洗濯がはかどる天気だ お隣のベランダから微かな鼻歌
16
安寧に 障りあること 隠す国 閉ざされたまま パンドラの箱
19
そのむかし自分で書いた天気図の線がむちゃくちゃ蛇行している
25
石投げて波紋。小石投げて波紋。伸びた影までズックで石けり
14
春の日のBL営業百合営業レターパックでいかなご送れ
6
高架下 電車の音に 掻き消され 送信取り消し 下書きのまま
16
海産を求め半刻ドライブし柳の芽吹き早緑みとむ
30