夕暮れ時 ベランダ眺む うしろあたま 何をおもふか ねこ たそがれる黄昏れる
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浮かれてた 1年後に来る どしゃ降りの 淋しさの雨 打たれるなんて
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花咲けば花を羨み 鳥の音と鳥の命に思い慰む
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桟橋のふねを蹴り出し見送ったきみはまたあの月の夢を見る
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甲烏賊の薄身ほどけて海に溶け 紡錘形の骨は波間に
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不自然にへこんで床に落ちているクッションの温度 気付きたくない
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熱がでた。君が来てくれ、嬉しくて。なんで来るの?と聞けないでいる。
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三輪みわの里 神の座するといふ山に枝垂れ桜は 咲き 揺れ 散りて/ 大神おおみわ神社
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葉が芽吹き舞い散る花びら公園の 足元に咲くサクラは満開
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否定形でしか語れぬ愛があり虚空にゆれるあてどない手は
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夕方に決まって犬は窓に吠え 不審な長男おかえりなさい
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蟷螂トウロウカゴに入れたる子供の目笑みを浮かべて声発したり
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芝地にて桜見上げて寝転がり枝の隙間を縫うボーイング
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晴れわたる海を渡ってクジラゆく 鶴の紋もつ白きからだよ
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際を世に道こそなけれ思ひいるさへれど今世君が為なり
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愛してるなんてわざわざ言わないが「これも食べな」は確かに愛だ
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お茶をする気力すこしく戻りたり(母が)甘酒甘酒言ふので甘酒
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言いそびれ 掃き集めてた 言の葉が いま歌となり 空へとリリース
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何となく心がぱっとしなくって リップモンスター買っちゃおうかな
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偶に来る息子の指摘的を射て成長した分我は老けゆく
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道端の可憐な花に目を奪われ春の散歩は長くなりぬ
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知らぬ間に山茱萸さんしゅゆ辛夷こぶし咲いてます雪解け流る川音聴いて
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春の海東に向かう船ひとり杭に繋がれ沖に出られぬ
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イヤホンを半分こして聴いていた曲の言葉が刺さる夜明けに
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謝罪するときの気持ちはソーリーオブザイヤー2025
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面白きことも無き世は昔から 面白くするのが生き様よ
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一年に一歳 無事に生きられた数が 増えれば 増える幸せ
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貴方は求める浪花節 他人に求めるコンプラ節
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目覚しをかけない私へ贈り物 隣室からの5時半の目覚し
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冷や飯にカップ麺汁かけためし こんなものかな物価高の世
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