朝イチで カーテン開けて 運試し 陽射しは大事 猫も私も
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ブランコに 跨がり夜を 穿ちゆく この独り言は 星の独り占め
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私らしく 私は私で これだけは まげられずに生き 不器用なりに
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真夜中の運動会にて起こされて 寝不足あるある ねことの暮らし
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風呂上がり キミは云ふなり だしぬけに 「お線香の匂い?」 森のバブだよ
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朝の陽も赤き夕陽も各々おのおのの背中照らすやいたわりを込め
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土曜日の朝は日々の逆回しすることしないしないことする
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咲き初むるあじさいの花うすももの粒から花へ翠の庭に
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人生の どん底見れば 今なんて 極楽浄土 そういうことか
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この世には 幸せ過ぎて 人生を 楽し可笑しく 過ごす人あり
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屈辱を 強いて耐えれば プライドは 形を変えて 偏屈となり
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将棋とか 一対一の ゲームとか 勝敗決める 意味がわからん
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悲しみは 癒えるどころか 深み増し 眠い眼に 幻消えず
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友もなく 役職もなく 金もなく 這いつくばって 辛酸舐める
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なんでまた こんな仕事を 選ぶのか 人の業とは 悍ましきもの
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先輩と 思っていたら 還暦を 迎える女子に 憐憫の情
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幾度いくたびも旋回かさぬる米軍の空中給油機をおそろしと見る
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のんびりと 老後を過ごす はずだった そうもいかない 貧乏暮らし
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用もなし 朝早く起き 鳥の声 睡眠不足 悩みは深し
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帰り道 車中で貴女と 手を繋ぐ その温かさ 幸せを感じる
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早朝の 菜園見渡し気合い入る 今日も格闘夏草成敗 
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にんげんが輪っかになってiPhoneをかかげていたら立ち去りなさい
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沖縄の海でたけしがこめかみを銃で打ち抜く瞬間の青
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大好きな恐竜シールと服まとい 微笑み眠る小さき棺
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不老にも不死にもなれる世界ではきっと大人はひとりもいない
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部屋にまで訪ねてくれる子供あり「折り紙教えて」「明日も来るよ」
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アパートで内緒で飼われた猫「銀次」風が冷えたかひざでまどろむ
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何気なく 続けていると 習慣が 時間をかけて こだわりとなる
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缶詰の消費期限を眺めてるほんとにこの日は来るのでしょうか
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消えたいと願っているはずなのになぜ今日も一日無駄に生きてた
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