鶯は 我が身の二倍も あるひなの 口にえさ入れ 我が子と疑わず
34
沢山の パンジー並ぶ ドアの前 五人家族の 幸せ見えて 「すいません詠み直しました」
23
歓声と悲鳴が同時に起こる我が家の阪神広島戦
9
金色に ひこうき雲の 筋伸びて 一直線に 空を横切る
33
悪いのは僕でいいからこの春を「ごめんね」という鍵で閉めきる
34
満開になれば終わってしまうから六分のままで僕を待ってて
33
流れてる プールの水は 絶えずして 元の水にあらず とは言えない
4
今年初ラジオは夏日告ぐるなり それもよかろう冷奴食む
17
僕がそこにいないなら 不幸せでいてね
7
夏日来て漆黒の慈鳥庭に待つ凍った竹輪を土産に渡す
23
鮮やかに 路彩りしツツジの群 寂しく朽ち落ち花殻となりぬ
17
春風に撫ぜられ 空き地にて揺るる オレンジ色の ナガミヒナゲシ/ポピーの仲間
27
憂鬱も紅茶に溶かし浮かべれば満ちる夕陽の色に染まらむ
31
孫子らに癒されし日のありがたき 老いに疲れし日々のまた良き
20
葉脈の裏ほど凛と清しけれ 背を貫くや 言の葉の裏
20
暴投か捕逸か論じ合うようなダルい会議の末席に居る
26
檻の中オランウータンお前もな職業欄には無職と書かる
19
久しぶり 退院の友に 会いに行き 元気を届けしはずが貰いて
22
近所の商店街食べ歩き人が多くて われうちごはん
17
モリオン黒水晶とタイガーアイのちから借り痛む膝へのお守りとする
28
「うりずん」の 吹く港より 米軍の イージス艦が ホルムズへ発つ
19
おおきみのために死ににし島人は見捨てらるるか海は青しに
17
びっこ引き杖突き歩廊独り行く私でもある生きてきた男性ひと
19
うりずんの海岸に満つ軍靴の音 夜風孕みし生温き臭ひ
14
「うりずん」の 夜風の立ちて みんなみに 散らばふ島の 季(とき)の移ろふ
16
春日和 ひなたぼっこ 猫日和 まどろみながら 何思うやら
19
時によぎる こころの中のな感情 掃除機「強」にし一掃したい
18
いつの間に小手毬の花咲きにけり今年無職の春を見つけし
22
うりずんと島人の言う四月なり夕日沈めばさやけき夜風
17
吹く空の白砂はくしゃの浜に打ち寄せて淡く砕ける雲の波色
14