「下の名前で呼ばないでください」マチアプの人に言えたら 言えたら
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あの角に落ちてる茶色い丸石を眠る猫だと毎回見まごう
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夕焼けをともに眺める人はなし可能性も無くなり雨戸を閉じる
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気が付けば頭の中でループする今日の君との会話全部
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首垂れた向日葵の下 コオロギの涼やかな声 秋の風吹く
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雨催あまもよひの日暮れ 雲を貫ひて 居場所を示す如 光る月
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ありがとね 君に届けと 空あおぐ 出逢えたあの夏 サヨナラの夏
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好きだよと言われる度に君は僕を好きだと言った僕じゃなくする
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雨をまつ キャベツの苗 を植えし畑 緑の玉で 華やかになれ
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月初め 事務処理多忙 頭脳戦 月見パイにて リフレッシュし
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夕焼けが とても綺麗な 空なれど そろそろ雨も 恋しい暑さ
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忙しさのなかの静止画免れぬ路石のように野花のように
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あとかたもなくなりましたそれでよい夢も記憶も更地となって
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なつ なつ なつ ああなつ もう おわってしまうというの まだきすもしてない
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雷鳴を響かせ渡る雨激し夏の憂いを洗い流せよ
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引数you="君の名前"としあらゆる処理がやり直される
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子を孕む女のなんと美しき不完全なる命育む
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あの恋が執着と知り見送った気づいたここが終着駅と
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パワハラに堪えかねていたEnter↩︎の不調のせいで改行できず
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人の為と書いて「偽り」 いつわりの人生吾も歩んでみたい
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められぬ批判と罪と戦争が 恐怖の記憶で世界を壊し
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壁登る小さな蛇見て文字もんじ言う「蛇とは思えぬ見上げた執念」【後編】
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生かされて何とは無しに生きている防災準備は何もしてない
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まだ生きる意味は私のなかになくクーラーの音静かに唸る
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シクラメン居心地いいのか十ヶ月 次々現わる小さなつぼみ \ 11月からずっと咲いています
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てつくらと吾子はひとりでやつて来て手を振り去つてランドセル揺れ
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進路など止まれば話す自転車の女子高生は一陣の風
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蜂の巣を探す校長日傘さし見つからなくて旗振りに帰す
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ピアニカや絵の具持ちた子多くあり二学期三日目の朝送る
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朝の庭長めの蛇が踊りうねりグレーチングの隙間へ消ゆる
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