はだしでしか歩かなかった頃のわれガラスも石も傷が覚えて
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いつの日か瓦礫の山に初花の咲く日ぞあらん酒酌む日々も
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女房は来年古稀で愛人も還暦まぢかの高齢化LOVE
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はつゆめのつづきを生きてきたけれどいまだに逢えぬ片恋のひと
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一枚の花札の如く桃の花 仲春に咲けり皆立ち止まる
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一本のハナ札の如き 一枚の花札の如き桃の花 忡春に咲けり皆立ち止まる
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どこ見てる お前のインスタ投稿は 世間じゃなくて私をみろよ
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気を付けよう! 女は急に 別れます
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「別れよう」それを聞いて悲しむな 私は既に諦めた
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締切に焦り迎えた深夜4:00 頭を捻り、その歌を詠む
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藤の木に月の光が差した夜 貴方を偲ぶオリオン座へと
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命など惜しくはないさ今はただ その手の中に刹那を盗め
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生み出せし宝石達が透かすのは 欲に塗れた虚飾の光
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食べれども満たされぬ腹と心でも 友がいるから満ち足りている
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「ごめん、最後のところだけもう一回言ってくれるかな?」「君が、好きです
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胸の鼓動高鳴り顔は火照ってく 君が伝染うつした病の名前は
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酒女酒酒女女酒 女酒酒酒酒女
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仏像に熱いお茶かけ手にやけどしつつしびれて将棋勝ち寄す
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「前線」は血生臭さがつきまとう桜前線は冬を殺して
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自らをなじる言葉は同類の友を傷つけ懺悔もできず
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沈黙の過去の面影なくなった 机の周りいくつもの笑み
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透きとおれ真冬にうかぶ通学路 一斉休校初日の朝に
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君らしく あなたがいうのは 私じゃない タラコもナスも 得意じゃない
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花曇り咲くか咲かぬか惑えども 木の芽に桜の記憶ありけり
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春はただ 陽光ひかりの中に すみれ色 溶けて紛れて 揺蕩う終日
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流氷に見立てたベッドで微睡みたい起きたらどこかの知らない海かも
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耐えかねて背の十字架を降ろすなら死ねともう一人の私が言う
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もうタコは食べるものかと誓った日 100泊火星旅行の帰り
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先輩に「肩の力を抜くことがコツだ」と言われ「ハイ!!!!!」と答えた
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裏付けも信じる強さも今はなく それでも頭脳よ正しく回れ
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